ロシアって、ヨーロッパだと思いますか?それともアジアだと思いますか?
実は、これは地理的、歴史的に見ても明確な答えを出すのは難しいんです。
今回は、なぜそれが難しいのかというところと、あえて結論を出すとすればどうすればよいかをまとめていきたいと思います。
ロシアの地域区分が難しい理由
地理的理由
ヨーロッパとアジアの境目は、「ウラル山脈」であると言われるのが一般的です。
ウラル山脈を境に、西側がヨーロッパ、東側がアジアですね。
この明確なウラル山脈があるのに、なぜロシアの区分が難しいかというと、ウラル山脈自体がロシアの中にガッツリ存在しているからなんです。
ロシアの国土をすっぱり南北に縦断していますよ。
なので、ロシアの国土を2分する、、、なんてできないので、ウラル山脈を理由に地域区分できないのですね。
さらにややこしくしている問題がもう一つあります。
画像でもわかるように、ウラル山脈で区切られたロシアは圧倒的にアジア側の国土が広く、比率で言うとヨーロッパ側が23%、アジア側が77%になっています。
ならアジアが優勢か!?と思われますが、首都モスクワは23%側のヨーロッパ側にあるんです。
政治的機能はヨーロッパ側なので、一概に広いほうが優勢、、、とも決めれないのです。
人口的理由
このように、ウラル山脈で区切られたロシアは、アジア側がほとんどです。
ですが、人口は逆に78%がヨーロッパ側に集中しているんです。
都市圏は圧倒的にヨーロッパ側なんですね。
首都モスクワは、人口が1200万人近くもいる大都市です。
歴史的、人種的理由
ロシア国家の起源は、東ヨーロッパのスラヴ人が住んでいる地域からたくさんの公国が作られたことによるので、そういった意味ではヨーロッパ色が強いと考えられます。
しかも、その地域のことを「ルーシ」と呼んでいて、それが現在の「ロシア」と結び付けられたと言われています。
ですが、現在のロシアはスラヴ人だけでなく、シベリア地方にはまた異なった民族も多数存在します。
なので、発祥だけが理由にはなりにくくいのですね。
文明・文化的理由
建築など、文明の観点から見ると、ロシアは東側のアジア地域でもヨーロッパ的な要素が色濃く見えます。
ロシアの町並みや服装の画像を見ても、ヨーロッパに近いですよね。
また、ロシア語はインド・ヨーロッパ語族のスラブ語の派閥に属するので、言語的にはヨーロッパ寄りに分類されると言っても良いでしょう。
そういった点では、ややヨーロッパが優勢でしょうか?
資源的理由
このように比較すると、ヨーロッパの色がやや強そうに見えますが、国を支える天然資源はほとんどがアジア地域にあります。
この要素も複雑にしている要因の一つですね。
ロシア人は、自分たちはどっちだと思ってるの?
アンケート結果
ロシア人は、自分たちのことをどう思っているのか?
では、実際のところロシアの人は自分たちのことをヨーロッパ、アジアどちらと思っているのでしょうか?
この結果は、意外にもどちらにも属さないと考えている人が圧倒的に多いようでした。
「自分たちはどちらにも属さず、ユーラシア独自だ」と考えている人が80%を超えます。
もともとユーラシアが「ヨーロッパ」と「アジア」を組み合わせた言葉なので、そういったオリジナリティや独立性を主張しているのですね。
ヨーロッパ人は、ロシアのことをどう思っているのか?
ヨーロッパ在住の人は、ロシアのことをほとんどがヨーロッパと思っていないようです。
実際、ヨーロッパの歴史の中で、国盗り合戦や民族的な動きでも、ロシア地域はそんなに頻繁には出てこないというところからもわかると思います。
しかも、同じ白人でありながら、ロシア人(スラヴ人)は白人ではないという人もいるくらいで、それだけ人種の壁は大きいということなのでしょう。
まとめ 結局どっち?
このような理由から、ロシアはどちらの地域にも明確に区分することはできないということになります。
ヨーロッパからは仲間じゃないと言われるし、ロシア自身もわれわれはユーラシアでどこにも属さない独立した民族だと思っているようなので。
ですが、一般的な認識としては、「どちらかというとヨーロッパかな?」という流れはあるのも事実です。
なので、「起源はヨーロッパに近いけれども、地理的にアジアの要素も色濃く入っている。」というところがおとしどころではないでしょうか。
やっぱりどうしても曖昧にはなってしまいますね笑
ロシアの国情報
正式名称 | ロシア連邦 |
公用語 | ロシア語 |
首都 | モスクワ |
人口 | 1億4600万人(世界9位) |
面積 | 17,098,246km2(世界1位) |
建国 | 1263年(モスクワ大公国) |
通貨 | ロシア・ルーブル(RUB) |
GDP | 66兆ルーブル |