和製英語一覧|英語では通じない?意味が違う?身近なカタカナ英語をまとめて紹介

海外旅行中、ホテルのスタッフにコンセントの場所を尋ねようとして、

「Where is the consent?」

と言っても、まず通じません。

英語の consent は「同意・承諾」という意味で、日本語の「コンセント」とはまったく別の言葉だからです。

このように、日本では英語のように使われていても、英語圏では通じなかったり、別の意味になったりする言葉があります。

たとえば、

  • コンセント
  • ノートパソコン
  • サラリーマン

などです。

こうした言葉は一般に**「和製英語」**と呼ばれます。

ただし、「英語っぽいカタカナ語」がすべて和製英語とは限りません。

たとえば、

  • アルバイト → ドイツ語
  • アンケート → フランス語
  • ノルマ → ロシア語
  • パン → ポルトガル語

のように、英語以外の言語に由来するものもあります。

この記事では、身近なカタカナ語を次の3種類に分けて紹介します。

  1. 日本で作られた和製英語
  2. 英語を日本独自に省略・変化させた言葉
  3. 英語と間違えやすい、英語以外の外来語

さらに、それぞれに「通じない度」の目安を付けています。

  • ❌=そのままではかなり通じにくい
  • ⚠️=英単語は存在するが、意味が違う・誤解されやすい
  • △=通じる場合もあるが、一般的な表現は別にある

そもそも和製英語とは、和製英語とは、英語の単語などをもとに、日本で独自に作られた日本語表現のことです。

代表例が「サラリーマン」です。

salary と man を組み合わせた言葉ですが、英語圏で会社員を表す一般的な言い方は office worker などです。

つまり、

英単語からできている=そのまま英語として通じる

とは限りません。

和製英語は、いわば「英語という材料を、日本語のルールで加工した言葉」なのかもしれません。

それでは、身近な和製英語から見ていきましょう。

そもそも和製英語とは?

和製英語とは、英語の単語などを材料として日本で独自に作られ、日本語として使われている表現のことです。

代表的な例が「サラリーマン」です。

salary(給料)と man(男性)を組み合わせているため、一見するとそのまま英語として使えそうに見えます。

しかし、英語圏で会社員を表す場合は、一般に

office worker

などの表現が使われます。

つまり、

英単語からできている=そのまま英語として通じる

とは限らないのです。

和製英語のおもしろさは、**「材料は英語なのに、意味や組み立て方は日本独自」**というところにあります。

では、なぜこのような言葉が生まれるのでしょうか。

理由の一つに、日本語には「カタカナ」という外来語を取り込む仕組みがあることが挙げられます。

海外から入ってきた言葉は、日本で使われるうちに、

  • 短く省略される
  • 本来とは違う意味で使われる
  • 別々の英単語が組み合わされる
  • 日本独自の使い方が定着する

といった変化をすることがあります。

その結果、元の英語とは違う、独立した日本語の表現になっていきます。

和製英語は、いわば

「英語という材料を輸入して、日本語の工場で加工した言葉」

と考えるとわかりやすいでしょう。

よく使う和製英語 一覧

仕事・ビジネスで使う和製英語

日本で使う言葉 英語なら 通じない度 ポイント
サラリーマン office worker / company employee salaryman は日本特有の表現
OL office worker office lady は一般的な職業名ではない
フリーター part-time worker 日本独自の言葉
クレーム complaint ⚠️ claim は「主張・請求」などの意味
ノルマ quota / target 実は英語ではなくロシア語由来
リストアップ make a list / list list up は一般的な表現ではない
スキルアップ improve one’s skills skill up より improve が自然
レベルアップ improve / get better ゲームでは level up も使われる
コストダウン reduce costs / cut costs cost down とは普通言わない
ベースアップ across-the-board pay raise 日本の労働用語
サービス残業 unpaid overtime service overtime では通じにくい
アフターサービス after-sales service after service だけでは不自然
キャリアアップ advance one’s career career up とは普通言わない
リストラ layoffs / restructuring ⚠️ restructuring の日本独自の略し方
ガードマン security guard guardman は一般的ではない

「クレーム」は特に間違えやすい

日本語では「店にクレームを入れる」のように使います。

しかし英語の claim は、「苦情」という意味で日常的に使う言葉ではありません。お店に対する苦情なら、complaintが一般的です。

ビジネスメールで “I have a claim about your product.” と書いてしまうと、相手には「返金・賠償の請求をしている」ように読める可能性があります。

クレーム ≠ claim、この一点だけでも覚えておく価値は大きいでしょう。

「〇〇アップ」「〇〇ダウン」系の言葉が多いのも、日本のビジネス和製英語の特徴です。

スキルアップ、レベルアップ、コストダウン、ベースアップ——どれも英語の単語を素材にした「日本製の動詞」だと考えると、規則性が見えてきます。

ITビジネス用語・オフィス略語の和製英語

会議やチャットで飛び交う「リスケしましょう」「そこがネックですね」といった言葉も、実は和製英語の宝庫です。

特にIT・ビジネスの現場では、英単語を日本語動詞化したり、思い切り短縮したりする独自ルールが発達しています。

日本で使う言葉 英語なら 通じない度 ポイント
リスケ reschedule 英語では省略せずフルで使う
コンプラ compliance 日本のオフィス特有の略語
キャパ capacity capacity を略さず使うのが一般的
ネック bottleneck neck だけでは「首」の意味になる
スキーム plan / structure / framework ⚠️ scheme は「たくらみ」の含みを持つことがある
ブラッシュアップ refine / polish / improve ⚠️ brush upは主に「知識・語学を磨く」に使う
フィックス finalize / confirm ⚠️ fixは「修理する」の意味が中心
SE(システムエンジニア) software engineer / developer ⚠️ 海外ではSEという略称自体が一般的でない
バグる glitch / malfunction ⚠️ bugを動詞にすると英語では「悩ませる」の意味になる
テレアポ cold calling / telemarketing telephone + appointment の日本独自合成
アポ appointment 省略せずそのまま使うのが一般的
ノマドワーカー digital nomad ⚠️ 英語では語順が逆で定着している

なぜオフィスの和製英語は「略語化」しやすいのか

「リスケ」「コンプラ」「キャパ」——これらに共通するのは、長い英単語の頭数音節だけを抜き出して日本語の名詞にしてしまうという作り方です。

英語話者からすると、”resche” や “compla” とだけ言われても、何のことか見当がつきません。

特に注意したいのが「バグる」です。

英語の bug には確かに「(コンピューターの)不具合」という名詞の意味がありますが、それを 動詞化して「悩ませる・イライラさせる」 という意味で使うのが英語の感覚です(”Stop bugging me.” =「しつこくしないで」)。

日本語の「システムがバグる」のつもりで “The system bugs.” と言うと、まるでシステムが誰かを困らせているような、奇妙な文になってしまいます。

また「フィックス」も要注意です。

日本のビジネスシーンでは「スケジュールをフィックスする」=「確定する」という意味で使われますが、英語の fix は「修理する・直す」が中心的な意味です。

海外の同僚に “Let’s fix the schedule.” と伝えると、「スケジュールに何か問題があって、それを直す」という意味に取られる可能性があります。

確定させたいだけなら、finalizeconfirm が誤解のない表現です。

パソコン・スマホ・インターネットの和製英語

日本で使う言葉 英語なら 通じない度 ポイント
パソコン PC / computer personal computer の日本独自の略
ノートパソコン laptop / laptop computer notebook computer もあるが laptop が一般的
スマホ smartphone 日本独自の略し方
ガラケー feature phone 完全に日本独自
マナーモード silent mode / vibrate mode manner mode では意味が伝わりにくい
SNS social media 日本ほど日常語としてSNSとは呼ばない
フリーダイヤル toll-free number 日本のサービス名称として定着
ホームページ website ⚠️ home page は本来サイトのトップページ
ワンセグ mobile TV / 1seg 日本の放送方式
ネットショップ online store / online shop online shop の方が自然

「ホームページ」と「Webサイト」は同じ?

日本ではWebサイト全体を「ホームページ」と呼ぶことがあります。

しかし本来 homepage は、Webサイトの最初のページ・トップページを指すことが多い言葉です。サイト全体なら、website の方が意味が明確です。

日本語では「ホームページ ≒ Webサイト」ですが、英語では「homepage < website」という包含関係になります。

ブラウザを開いたときに表示される最初のページを “homepage” と呼ぶ感覚は、実は英語本来の使い方に近いものです。

企業のWebサイト制作を海外の担当者に依頼するとき、”I need a new homepage” と伝えると「トップページだけ」作られてしまう、というのはよくある行き違いの一つです。

家・生活用品の和製英語

日本で使う言葉 英語なら 通じない度
コンセント outlet / electrical outlet / socket
キーホルダー keychain / key ring
シャープペンシル mechanical pencil
ボールペン ballpoint pen
ホチキス stapler
セロテープ clear adhesive tape / Scotch tape
ガムテープ packing tape
ビニール袋 plastic bag ⚠️
ペットボトル plastic bottle
ベビーカー stroller / pushchair
コインランドリー laundromat / launderette
レンジ microwave ⚠️
クーラー air conditioner / AC ⚠️
ストーブ heater ⚠️
ウォシュレット bidet toilet seat / bidet seat

「コンセント」は英語ではまったく別の意味

冒頭でも触れた通り、日本では電気プラグの差し込み口を「コンセント」と呼びます。

ところが英語の consent は、同意・承諾という意味です。ホテルで「Where is the consent?」と言っても、コンセントを探しているとはまず思ってもらえません。

アメリカ英語なら outlet、イギリス英語なら socket などと表現します。海外の家電の説明書に “Insert the plug into the socket” と書かれているのを見て、初めて「あ、コンセントって和製英語だったのか」と気づいた、という声もよく聞きます。

和製英語の中でも、知っているだけで海外旅行のトラブルを一つ減らせる、実用性の高い代表例です。

「ホチキス」も面白い言葉です。日本での名称は、アメリカの発明家・実業家 E. H. Hotchkiss の会社が製造したステープラーが日本に輸入されたことに由来すると言われています。

つまり「ホチキス」は英単語というより、もともとは会社名・人名がそのまま製品名として定着したケースに近く、和製英語というより「日本独自の商標由来語」に分類する考え方もあります。

家・不動産で使う和製英語

日本で使う言葉 英語なら 通じない度
ワンルーム studio apartment
マンション condominium / apartment ⚠️
リフォーム renovation / remodeling ⚠️
オートロック automatic locking system / secure entry
システムキッチン fitted kitchen / built-in kitchen
ダイニングキッチン kitchen-dining room
フローリング wood flooring
ユニットバス prefabricated bathroom / modular bathroom

日本の「マンション」は英語だと大豪邸?

これは和製英語の中でも特に有名な違いです。

日本語の「マンション」は、比較的大きな集合住宅を指します。

一方、英語の mansion は基本的に 大邸宅・豪邸 を意味します。

そのため、

I live in a mansion.

と言うと、「ものすごい豪邸に住んでいる」という意味に受け取られる可能性があります。

日本のマンションなら apartment、所有形態によっては condominium / condo などを使うのが適切です。

不動産業界の和製英語には、実は「グレードを高く見せるための演出」という側面もあると言われています。

アパート(apartment=木造・軽量鉄骨の集合住宅)よりも、マンション(mansion=豪邸)と名乗った方が響きが良い——そんな売り手側の意図が、言葉の意味そのものを塗り替えてしまった、というわけです。

言葉の変化の裏にマーケティングの力学が透けて見える、興味深い一例です。

食べ物・飲み物の和製英語

日本で使う言葉 英語なら 通じない度
フライドポテト fries / French fries / chips
アメリカンドッグ corn dog
ホットケーキ pancake
シュークリーム cream puff / profiterole
ソフトクリーム soft-serve ice cream
アイスキャンディー ice pop / popsicle
バイキング buffet
モーニング breakfast special / breakfast set
ファミレス family restaurant
ドリンクバー self-service drink station / unlimited soft drinks
レモンスカッシュ lemon soda / sparkling lemonade
オムライス omelet rice / omurice
ハンバーグ hamburger steak / Hamburg steak ⚠️

「バイキング」を英語で言うと海賊?

食べ放題を意味する「バイキング」は、日本独特の表現です。

英語で Viking と言えば、基本的には北欧の海洋民族を指します。食べ放題なら、buffet が一般的です。

この言葉の由来は少しユニークで、1957年に帝国ホテルが開業した食べ放題レストランが、当時人気だった映画『バイキング』にちなんで「インペリアルバイキング」と名付けたのが始まりとされています。

つまり「バイキング=食べ放題」は、特定のレストランの命名がそのまま一般名詞化した、和製英語の中でも珍しい成り立ちを持つ言葉なのです。

「バイキング料理へ行こう!」という感覚で “Let’s go to a Viking.” と言うと、レストランではなく歴史ロマンの話だと誤解されかねません。

「アメリカンドッグ」はアメリカで通じない

いかにも英語らしい名前ですが、アメリカでは一般的に corn dog と呼ばれます。

「American dog」という名前そのものが、実は日本らしいネーミングなのです。

アメリカ生まれの食べ物に、わざわざ「アメリカン」と付けて日本で売り出す——考えてみると不思議な現象ですが、「本場っぽさ」を演出するための命名が定着した例として、マーケティング視点でも面白い言葉です。

ファッションで使う和製英語

日本で使う言葉 英語なら 通じない度
ワンピース dress
パーカー hoodie ⚠️
トレーナー sweatshirt ⚠️
ワイシャツ dress shirt / business shirt
ジーパン jeans
フリーサイズ one size fits all / one size
ノースリーブ sleeveless top
ファスナー zipper / zip
チャック zipper / zip
パンスト pantyhose / tights
ビーチサンダル flip-flops
オールインワン jumpsuit ⚠️

「ワンピース」は英語では服の名前ではない?

日本では上下がつながった女性用の服を「ワンピース」と呼びます。

英語にも one-piece という表現はありますが、服の一般名称として日本語と同じようには使いません。普通のワンピースなら dress が自然です。

余談ですが、海外で「One Piece」と口にすると、服よりも先に日本の人気漫画・アニメ作品を思い浮かべる人が多いかもしれません。

同じカタカナの「ワンピース」でも、日本国内での意味(服)と、海外でのイメージ(作品名)がずれてしまう——これもグローバル化が進んだからこそ起きる、現代的なすれ違いだと言えるでしょう。

車・運転で使う和製英語

日本で使う言葉 英語なら 通じない度
ガソリンスタンド gas station / petrol station
ハンドル steering wheel ⚠️
ウインカー turn signal / indicator
フロントガラス windshield / windscreen
アクセル accelerator / gas pedal
サイドブレーキ parking brake / handbrake
ペーパードライバー inexperienced / non-practicing driver
マイカー one’s own car / personal car
オープンカー convertible

「ハンドルを握る」は英語では?

日本語では「車のハンドル」と言いますが、英語の handle はドアやバッグなどの「取っ手」を意味します。車のハンドルは steering wheel です。

日本語では「ハンドル」一語で済むぶん、英語でもそのまま通じそうに思えてしまうのが、この言葉の怖いところです。

レンタカーのカウンターで “Please check the handle.” と言うと、ドアの取っ手を点検されて終わってしまうかもしれません。

運転にまつわる和製英語は、旅行先で実際に使う場面が多いぶん、覚えておく実用度も高いジャンルです。

旅行・ホテルで使う和製英語

空港やホテルは、和製英語がもっとも「実戦投入」されやすい場所でもあります。

日本語のつもりで口にした言葉が、フロントスタッフにまったく伝わらない——そんなヒヤリとする瞬間を防ぐために、旅先で使う機会の多い言葉をまとめました。

日本で使う言葉 英語なら 通じない度 ポイント
モーニングコール wake-up call morning call では意味が伝わりにくい
フロント reception / front desk front だけでは「受付」の意味にならない
ビジネスホテル budget hotel / economy hotel ⚠️ business hotel は高級会議用ホテルの印象に
リムジンバス airport shuttle bus 日本の空港連絡バス独自の呼び方
コインロッカー luggage locker / storage locker coin locker では硬貨投入式という含みが弱い
キャリーバッグ suitcase / roller bag carry-on は「機内持ち込み手荷物」の意味
サービスエリア rest area / rest stop イギリスでは service area も通じる
グリーン車 first-class car / reserved car 日本のJR独自の呼称
サマータイム daylight saving time ⚠️ 米国では通じにくいが英国では summer time も使う
ハプニング unexpected incident / mishap ⚠️ happening は本来「出来事」全般を指す

「フロント」と「モーニングコール」はホテルの二大和製英語

チェックインのときに使う「フロント」も、実は要注意な言葉です。

英語の front はあくまで「前面・正面」を意味する言葉で、単独では「受付」の意味になりません。海外のホテルで “Where is the front?” と尋ねると、建物の正面玄関を案内されてしまうかもしれません。

受付を指したいときは、reception または front desk と、必ず “desk” を付けるのがポイントです。

「モーニングコール」も同様です。英語では wake-up call が定番の表現で、”morning call” と言っても意味は伝わるものの、やや不自然に聞こえます。

ちなみに英語の wake-up call には、「(何か悪い出来事が)目を覚まさせるきっかけになる」という比喩的な意味もあり、”That accident was a wake-up call for the whole industry.”(あの事故は業界全体への警鐘だった)のようにも使われます。

単なるホテルの目覚まし電話サービスから、人生訓のような意味まで持つ、案外奥の深い言葉です。

「リムジンバス」も、日本の空港特有のネーミングです。

英語の limousine は本来、運転手付きの高級車を指す言葉であり、大型バスを指すことはまずありません。

空港と市街地を結ぶ連絡バスは、airport shuttle bus または単に airport bus と呼ぶのが一般的です。

スポーツの和製英語

日本で使う言葉 英語なら 通じない度
ナイター night game
フォアボール walk / base on balls
デッドボール hit by pitch
ランニングホームラン inside-the-park home run
フライング false start ⚠️
ロスタイム stoppage time / injury time
キャッチボール play catch
サインプレー set play / play using signals

野球には和製英語が意外と多い

「ナイター」「フォアボール」「デッドボール」など、日本の野球では英語っぽい言葉を数多く使います。

ところが英語では、ナイター→night game、フォアボール→walk、デッドボール→hit by pitch、などと表現します。

野球はアメリカから日本へ伝わったスポーツであるにもかかわらず、日本国内で独自の英語表現が数多く生まれているのは、考えてみると不思議な現象です。

一説には、明治〜昭和初期に野球用語を日本語に訳す過程で、「正式な英語表現」よりも「聞き取りやすく覚えやすい言葉」が優先されて広まった結果とも言われています。

ファンの間で使われるうちに定着し、テレビ中継や新聞の見出しを通じて全国区の言葉になっていった——そう考えると、和製英語は放送・メディア文化とも深く結びついていることが分かります。

人の性格・気持ちを表す和製英語

ここは特に注意が必要なジャンルです。「英語として存在するけれど、日本語とは意味がずれている」という言葉が集中しているからです。

日本で使う言葉 英語なら 通じない度
テンションが高い excited / energetic ⚠️
テンションが低い low-energy / not excited ⚠️
マイペース at one’s own pace
ドンマイ Don’t worry. / Never mind.
スキンシップ physical affection / physical contact
コンプレックス insecurity ⚠️
ナイーブ sensitive / delicate ⚠️
スマート(細身) slim / slender ⚠️
スタイルがいい have a good figure ⚠️
アバウト rough / approximate / easygoing ⚠️
ピンチ difficult situation / trouble ⚠️
ファイト! You can do it! / Go for it!

「テンションが高い」は high tension ではない

日本語の「今日はテンション高いね!」は、「元気だね」「興奮しているね」という意味です。

ところが英語の tension は、緊張・張力・対立した空気などを表します。

そのため high tension とすると、日本語の「テンションが高い」とはかなり違う——それどころか、むしろ逆に近いニュアンスになってしまいます。

英語なら excitedenergetic が自然です。

「ナイーブ」は褒め言葉にならないことも

日本語の「ナイーブ」は「繊細な人」という比較的好意的な意味で使われることがあります。

しかし英語の naive には、世間知らず・経験不足・うぶ といった意味があります。

「彼女はナイーブだ」のつもりで “She is naive.” と紹介すると、「彼女は世間知らずだ」というやや失礼なニュアンスで伝わってしまう恐れがあります。

「繊細」と言いたいなら sensitive を使った方が、意味のずれが少なくなります。

感情や性格を表す和製英語は、単なる語彙の違いというより、相手への評価そのものを誤解させてしまうリスクがあるという点で、他のジャンルよりも一段注意が必要だと言えるでしょう。

芸能・メディアの和製英語

日本で使う言葉 英語なら 通じない度
タレント celebrity / TV personality ⚠️
カメラマン photographer / camera operator ⚠️
サイン autograph / signature ⚠️
CM commercial / TV ad
PV music video / promotional video
NG blooper / mistake / not allowed
BGM background music
ゲームセンター arcade / amusement arcade
UFOキャッチャー claw machine
プリクラ photo sticker booth

「タレント」は talent ではない?

日本で「タレント」と言えば、テレビなどで活動する芸能人を指します。

しかし英語の talent の中心的な意味は 才能・能力 です。芸能人を言いたいのであれば、celebrityTV personality などの方が適切です。

「あの人はタレントです」を “He is a talent.” と直訳すると、英語ネイティブには「彼は才能のかたまりです」というやや大げさな褒め言葉に聞こえてしまいます。

芸能・メディア系の和製英語は略語が多いのも特徴です。

CM、PV、NG、BGM——アルファベット3〜4文字に圧縮する日本語の省略文化が、この分野で特に強く表れています。

実は「和製英語ではない」カタカナ語

ここが、この記事で特に覚えておきたいポイントです。

日本では「海外で通じないカタカナ語」がすべて和製英語として一括りにされることがあります。

しかし実際には、英語以外の外国語から日本へ入ってきた言葉も少なくありません。

言葉 解説
アルバイト ドイツ語の Arbeit が由来。ドイツ語では本来「労働・仕事」という意味です。英語なら part-time job。明治時代、学問の分野でドイツ語の影響が強かった日本の大学文化の中で、学生たちが使い始めた言葉が広まったとされています。
アンケート フランス語の enquête(調査)が由来。英語なら questionnaire または survey
ノルマ ロシア語の норма(norma) が由来とされる言葉です。英語なら quotatarget が近くなります。
パン 「パン」は英語ではありません。ポルトガル語の pão に由来するとされています。英語なら bread。16世紀、ポルトガルの宣教師・貿易商とともに日本にパン食文化が伝わった際の言葉がそのまま定着した、歴史の長い外来語です。
ピンセット 「ピンセット」も英語ではなく、オランダ語の pincet が由来です。英語では tweezers と呼びます。鎖国時代、長崎・出島を通じて医療・科学用語がオランダ語から数多く輸入された名残の一つです。

こうして並べてみると、「カタカナ語=英語」という思い込みそのものが、実は歴史的な誤解であることが分かります。

日本語の外来語は、江戸時代のオランダ語、明治時代のドイツ語・フランス語、戦後のアメリカ英語と、時代ごとに主役となる外国語が入れ替わりながら積み重なってきた地層 のようなものなのです。

「英語だけど意味が違う」言葉にも要注意

さらにややこしいのが、英単語としては本当に存在するものの、日本語で意味が変化した言葉 です。

代表例を比較するとわかりやすくなります。

カタカナ語 日本での意味 英語での主な意味
マンション 集合住宅 豪邸
クレーム 苦情 主張・請求
テンション 気分・ノリ 緊張・張力
ナイーブ 繊細 世間知らず・うぶ
スマート 細身・洗練 賢い、機敏な
コンセント 電源差し込み口 同意
ストーブ 暖房器具 コンロ・ストーブなど
サイン 有名人の署名 印・標識・兆候
タレント 芸能人 才能
ハンドル 車のステアリング 取っ手

「全然通じない言葉」より、こちらの方が誤解を生みやすいとも言えます。

まったく通じない言葉なら、相手も「?」という顔をしてくれるので、その場で気づけます。

しかし英単語として文法的に正しく通じてしまう分、話者本人も聞き手も、意味がずれていることに気づかないまま会話が進んでしまう——これが、このタイプの和製英語のもっとも厄介な性質です。

和製英語の逆パターン|英語になった日本語

ここまでは「日本語になった英語」を見てきましたが、実はその逆の現象もあります。

日本語がそのまま英語の単語として辞書に載っているケースです。

日本語 英語での綴り・使われ方
津波 tsunami(自然災害の専門用語として定着)
絵文字 emoji(スマホ文化とともに世界共通語に)
かわいい kawaii(日本のポップカルチャーを象徴する形容詞として使用)
アニメ anime(日本製アニメーションを指す固有のジャンル語として定着)
カラオケ karaoke
布団 futon(欧米では簡易マットレス式ベッドを指すことが多い)
過労死 karoshi(社会問題を説明する専門用語として使用)
班長(はんちょう) honcho(「まとめ役・責任者」の意味で英語に定着)

たとえば honcho(「head honcho」=「トップ、責任者」)は、日本語の「班長」がアメリカに渡って独自の意味で定着した言葉だと言われています。

もともとは第二次世界大戦後、日本に駐留したアメリカ兵たちが持ち帰った言葉が広まったとされ、いわば**和製英語の反対、「英製和語」**とでも呼べるような存在です。

面白いのは、こうした「英語になった日本語」は、和製英語とは違い、むしろ日本語本来のニュアンスに近い形で使われる傾向があるということです。

「kawaii」は単なる「cute」の訳語ではなく、日本のポップカルチャーが持つ独特の可愛らしさのニュアンスごと、そのまま輸出された言葉として扱われています。

言葉が国境を越えるとき、時に意味を変え、時に意味を保ったまま定着する——その違いを見比べてみるのも、この分野の面白さの一つです。

世界の「〇〇式英語」と和製英語

実は、母語の影響を受けて独自に変化した英語は、日本だけの現象ではありません。

世界各地に、それぞれの「〇〇式英語」が存在します。

  • コングリッシュ(Konglish・韓国式英語):たとえば「hand phone(핸드폰)」は携帯電話、「eye shopping(아이쇼핑)」はウィンドウショッピングを意味します。
  • チングリッシュ(Chinglish・中国式英語):直訳調の看板表現などが有名で、近年では “long time no see”(お久しぶり)のように、逆に英語の正式な慣用句として定着した中国語由来の表現もあります。
  • シングリッシュ(Singlish・シンガポール式英語):現地の中国語・マレー語の影響を強く受けた独自の英語で、「chope(席取りをする)」のような地元語が日常的に使われます。

こうして世界を見渡してみると、和製英語は決して「日本人の英語が下手だから生まれた特殊な現象」ではなく、外国語が異文化に取り込まれるときにほぼ必ず起きる、言語の普遍的なプロセスの日本版だということが分かります。

英語がどこの国に入っても、その土地の言語や発音、生活習慣に合わせて姿を変えていく——和製英語は、その世界的な現象の中の一つの事例に過ぎないのです。

なぜ和製英語はこんなに増えた?

和製英語が増えた理由は一つではありません。日本語では、外国語をそのまま取り入れるだけでなく、

  • 長い言葉を短くする
  • 複数の英単語を組み合わせる
  • 元の英語とは違う意味に変える
  • 商品名を一般名称のように使う
  • 日本にしかない物や文化に英語風の名前を付ける

といった変化が頻繁に起こります。たとえば、

personal computer → パーソナルコンピューター → パソコン

smartphone → スマートフォン → スマホ

というように、日本人が発音しやすく使いやすい形へと段階的に変化していきます。

この「4〜5音に圧縮したくなる」感覚は、俳句や川柳など、短い言葉に情報を凝縮する日本語の文化的な特性とも無関係ではないのかもしれません。

その結果、日本国内では極めて便利なのに、海外ではまったく通じない言葉が次々と生まれていくわけです。

和製英語は「間違った英語」なの?

ここも重要なポイントです。和製英語を、**「間違った英語」**とだけ考えるのは少し違います。

なぜなら、和製英語はそもそも英語ではなく、日本語として定着した言葉 だからです。

日本人同士が、

「コンセントはどこ?」 「今日はテンション高いね」 「ノートパソコンを買った」

と話すことには何の問題もありません。問題になるのは、日本語として使っている言葉を、そのまま英語だと思い込んで海外でも使ってしまった場合 です。

したがって、

和製英語=間違った日本語

ではなく、

和製英語=英語を材料に日本で独自に発達した、れっきとした日本語の語彙

と考える方が正確です。

英語話者に「日本語、こんな言葉まであるの?」と驚かれることはあっても、日本語として「間違っている」わけではないのです。

和製英語・外来語・カタカナ語の違い

最後に、混同しやすい3つの言葉を整理しておきましょう。

和製英語

英語を材料に日本で独自に作られた言葉。例:サラリーマン、ペーパードライバー、ガソリンスタンド、マナーモード

外来語

外国語から日本語に取り入れられた言葉。例:パン、アルバイト、アンケート。英語由来とは限りません。

カタカナ語

カタカナで表記される言葉全般を指す、いちばん大きな括りです。

したがって、

カタカナ語 > 外来語・和製英語

という包含関係で考えると整理しやすくなります。和製英語は「外来語」の一種であり、外来語は「カタカナ語」の一種、という入れ子構造になっているわけです。

海外で恥をかかないための言い換え早見表

最後に、特に誤解を招きやすい言葉について、海外でとっさに言い換える際のヒントをまとめておきます。

こう言いたいとき NGになりやすい表現 代わりに使いたい表現
電源が欲しい consent outlet(米) / socket(英)
会社員です I am a salaryman. I am an office worker.
クレームを伝えたい I have a claim. I have a complaint.
元気だね、と伝えたい high tension excited / energetic
集合住宅に住んでいる I live in a mansion. I live in an apartment.
繊細な人だと紹介したい naive sensitive
ノートパソコンを指したい notebook laptop

とっさに出てくる言葉ほど、実は和製英語であることが多いものです。

旅行や仕事で英語を使う機会がある人は、この表の左側のような単語が口から出そうになったときに、一呼吸置いて右側の表現に置き換える——それだけで、無用な誤解の多くは防げます。

和製英語クイズ|あなたは何問わかる?

最後に、記事の内容を振り返りながら9問だけ挑戦してみましょう。

全9問の4択クイズに挑戦してみましょう。

まとめ|日本語になった英語を比べると面白い

私たちは普段、コンセント、サラリーマン、ノートパソコン、ガソリンスタンド、マンション、バイキング、そして出張や旅行で使う「リスケ」「フロント」「モーニングコール」といった言葉を、何の違和感もなく使っています。

ところが英語と比べてみると、**「英語に見えるのに英語ではない」**という不思議な言葉が数多く存在します。

さらに調べていくと、「日本で作られた和製英語」だけでなく、「英語を独自に短縮した言葉」「意味だけが日本で変わった英単語」「実は英語ですらない外来語」、そして「逆に英語になった日本語」まで、幾重にも入り組んだ言葉の地層が見えてきます。

和製英語は単なる「間違い」ではありません。外国から入ってきた言葉を、日本人が使いやすく、時にはより魅力的に響くように変化させてきた結果でもあります。

そして世界に目を向ければ、同じような現象は韓国にも中国にもシンガポールにもある、言語が異文化と出会うときに起こる普遍的なドラマの一つでもあります。

そう考えると、和製英語は、日本語が新しい言葉を作り出してきた歴史そのものとも言えるのではないでしょうか。

次に「コンセント」や「マンション」という言葉を口にするとき、その裏にある小さな物語を思い出してみると、いつもの日常が少しだけ違って見えるかもしれません。

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