「奇しくも(くしくも)」って、たまに聞く言葉ですよね。
ですが、意味がわかりにくい上に、誤用も多い厄介な言葉なんです。
一生使える知識となるように、1分でわかるようにまとめてみました。
「奇しくも」の意味
意味
①偶然にも。不思議にも。
読み方
「くしくも」と読みます。
「”き”しくも」、と読み間違える人もたまにいます。
解説
本来の意味は、
「ある出来事がおきた時、たまたま起きた『偶然性』について、不思議に思うこと。」
です。
例えば、
「祖母が旅立ちました。奇しくも、その日は祖母の命日でした。」
というように使います。
ポイントは、何かの「偶然」があることです。
この例文では、次の2点が偶然に重なっています。
- 祖母が亡くなった
- 祖母の誕生日だった
この偶然に対して、「不思議だ!」といった感情がわいた時うのが「くしくも」という言葉ですね。
もし、話し手がこの偶然に対して何も感じることが無ければ、
「祖母が旅立ちましたが、たまたま、その日は祖母の命日でした。」
といった表現になるかもしれません。
とても多い誤用
語用率を調査
また、この「奇しくも」は誤用が多いことで有名です。
どのくらいの人が間違えているのか、10代~30代の男女1000人にアンケート調査をしてみました。
「くしくも、彼の意見と同じだった。」の、「くしくも」はどういう意味だと思いますか?
- 45% くやしいことに、
- 51% 偶然にも、
- 4% 何度も言いますが、
正解率は51%でした。
なんと2人に1人が「悔しいことに」と、誤用をしているんです。
厄介な間違い方ですね><
例文のように、
「奇しくも、彼の意見と同じだった。」
という表現だったら、
「残念なことに、彼の意見と同じだった。」
と、勘違いをしているわけですね。
もし、これを言われた側の人が誤用していたらやショックですよね。
「オレと同じ意見は残念なのか、、、」
と勘違いをさせることになります。
本来は、
「偶然にも(不思議にも)、彼の意見と同じだった。」
という意味ですね。
なので、誤解を避けるためにも、対象となる人が身近な人の場合には、わかりやすく「偶然にも」という言葉を使った方が無難かもしれません。
誤用を避けるために
誤用を避けるために、こういう覚え方をすることをおすすめします。
「奇」という漢字の意味には、
「めずらしい、変わっている、予想から外れた」
という意味があります。
「奇人」というと、”変わった人””あまりいない珍しい人”のことですね。
なので「奇しくも」も、
「めずらしいくも」「変わってたことにも」
という意味になり、
「偶然にも」と連想することができます。
例文
- 「奇しくも、彼女と誕生日が同じだった。」
- 「奇しくも、そこは以前訪れた場所だった。」
- 「祖母が旅立ちました。奇しくも、その日は祖母の命日でした。」
- 「あれほどの大惨事でしたが、奇しくもケガ人は1人もいませんでした。」
「奇しくも」の雑学
「奇しくも、彼と同じ意見だった。」
を基準にして、類語と対義語を考えてみました。
類語
- 「妙なことに、彼と同じ意見だった。」
- 「不思議なことに、彼と同じ意見だった。」
対義語
- 「やはり、彼と同じ意見だった。」
- 「案の定、彼と同じ意見だった。」
- 「予想した通り、彼と同じ意見だった。」
また、これ以外も間違った意味で使われている日本語ってたくさんあるんです。こちらでまとめているのでぜひ合わせて確認してくださいね!