「いみじくも」の意味は分かりますか?
実は、正しく意味を理解している人って、わずか9%しかいないという誤用の多い言葉なんです。
では、この「いみじくも」の意味を1分で解説したいと思います。
1分解説
「いみじくも」の意味
とても巧みに
適切に
現代では使われていませんが、古語である「いみじ」から生まれた副詞です。
「いみじ」とは、「並々でない」「すばらしい」「ひどい」という物事を強調・誇大する意味で、良いことにも悪いことにも使われていましたが、「いみじくも」という副詞では”良い意味”でのみ使われます。
「いみじくも」の使い方/例文
誰かの発言や行動に対して、「巧みだ」「的確で見事だ」と認めたり褒めたりする時に使われることが多い言葉です。
例えば、誰かがしたこと、言ったことに対して、
「”左利き用の○○”なんて、いみじくも考えたと思う。」
「”冬来たりなば春遠からじ”とは、いみじくも言ったものですね。」
というようにプラスイメージで使います。
かなり昔は、良くないことにも使ったそうですが、現代においては基本的にプラスのイメージでしか使われることはありません。
若い人はほとんど使いませんが、年配の方ではごくたまに使われる方もおられるので、ぜひこれを機会に知っておいてくださいね!
類語・対義語
類語
- 上手に
- 見事に
- 的確に
- とても巧みに
対義語
- 的外れに
- 稚拙に
調べたところ、どこにも対義語が掲載されていませんでした。
「功」の対義語が「拙」になるので「稚拙に」とかが当てはまりそうです。
また、「的確に」の対義語である「的外れに」といったところも反対の意味になる可能性が高いです。
もっと理解を深めるための雑学
「いみじくも」で多い誤用のナンバーワンは?
10~30代の男女1000人に、ちゃんとした意味を知っているかのアンケートを取ってみました。
- 45% 偶然にも
- 9% 巧みに
- 24% 不吉なことに
- 22% 並々ではない
このように、正解率がわずか9%というかなり御用の多い言葉です。
間違いのほとんどが「偶然にも」との誤用で、「奇しくも」と混同していまっているのが現状です。
また、「いみじくも」の語源が「忌む」ということから、「不吉なことに」というイメージも少なからずあるようです。
一旦は無くなったはずのマイナスイメージの意味が、なぜか現代では残っている、もしくは復活してしまってるんですね。
このことからも、現代ではあえて”いみじくも”という言葉は使わず、「上手に」「的確に」といった類語を使う方が無難であることは間違いありません。
かなり使い方がややこしくなってきているので、ひょっとしたらこのまま衰退していく運命の言葉なのかもしれませんね。