「銭ゲバ」と聞くと、2009年に放送されたTVドラマを思い出す人は多いと思います。
ですが、銭ゲバの意味を知っている人は意外に少ないんです。
ドラマや映画を見た人は、作品イメージから大体の想像はつくかとは思いますが、より理解を深めるために、1分で分かりやすく解説をしたいと思います。
1分解説
「銭ゲバ」の意味
お金を手中にするために、手段を選ばない人
お金のためなら、どんなことでもできる人
読み方は「ぜにげば」です。
言葉の成り立ちは、このようになっています。
「銭」=お金
「ゲバ」=ドイツ語”ゲバルト(Gewalt)”の略
「ゲバルト」とは、”武装闘争”や”暴力”という意味の言葉です。
主に学生運動において、権力に対して武力を持って抵抗した、あの相当過激な闘争のことを言います。
つまり、”武装闘争”をしてでも”お金”を手に入れるということですね。
穏やかではない言葉であることがわかります。
「銭ゲバ」の使い方/解説
「銭ゲバ」とは、お金を手に入れることに、異状なまでの執着をしている人のことを言います。
お金を手に入れるためなら、どこかから盗んだり、誰かをだましたり、誰かを陥れたり、誰かを傷つけることすら平気で行います。
完全に「お金」に支配されてしまっていますね。
ポイントは、「自分がお金を得るためなら、人に危害を与ることができる」ということです。
なので、決してプラスイメージではなく、かなり劣悪なマイナスイメージだと思ってよいと思います。
「がめつい」「あくどい」の最上級クラスの言葉の一つと言っても良いかもしれませんね。
ですが、「銭ゲバ」の作品を知っている中高年以上の人なら、冗談交じりで人に使ったりすることもあります。
それは、言葉の持つ本来の悪いイメージを知っているからこそ冗談で使えるんだと思います。
例えば、
「○○さん、ひどすぎるな~、悪魔だね!いや、鬼だね!」
みたいに、元がひどい意味の言葉だからこそ冗談に使えるパターンですね。
ですが、一般的に広く使われる言葉ではないので、使い方には慎重さが必要です!
「銭ゲバ」と「守銭奴」の違い
この両者は、かなり似た意味で使われることは多いです。
どちらも映画などの作品名に使われているから、かなり似た言葉というイメージが強いですが、実際はニュアンスはやや違います。
守銭奴
- お金を貯めることに異状に執着を持つ人
- 人の為にお金は絶対に使いたくない人
銭ゲバ
- お金を手に入れるためなら、人を傷つけても構わない人
このように、「守銭奴」は「銭ゲバ」ほど人を陥れるような過激なことはしません。
銭ゲバに比べると、せいぜい、極度のケチっぷりに、周りから面倒がられる程度です。
ですが、「守銭奴」だった人が、より大きな富を求めて人を陥れたりするようになると、「銭ゲバ」と呼ばれるようになる可能性はあります。
類語・対義語
類語
対義語
元々は作品から生まれた言葉なので、正式な対義語はありません。
「浪費家」がやや近いですが、過激な部分に対する反対部分は踏まれていないため、正式な対義語にはならなさそうです。
もっと理解を深めるための雑学
「銭ゲバ」の元作品
「銭ゲバ」とは、ジョージ秋山によって描かれた漫画作品です。
週間少年サンデーで、1970年~1971年まで連載されました。また、1970年に映画、2009年にドラマ作品が作られました。
貧困で薬すら買えなかっため、大切な母を失った主人公は、子供ながらにお金が無かったからだと理解します。
そのことがきっかけで、お金に異常なまでに執着するようになっていきます。
そして、殺人などの犯罪を繰り返し、企業のっとりや正解進出を果たし、金銭と名誉をつかんでいく青年の物語です。
上下巻だけの短い作品でながら、40年たってもドラマ化されたりとてもインパクトのある作品です。
電子書籍にもなっているようなので、もし興味があったら一度読んでみてくださいね。