「民事裁判」と「刑事裁判」の違いがスッキリわかる!

民事裁判と刑事裁判って、なんとなく違いはわかるものの、、、はっきり違いがいえる人はほとんどいないのではないでしょうか。

今回は、わかりやすく違いを一覧にしてまとめてみました。

これでスッキリできますね!

民事裁判と刑事裁判の違いを、わかりやすく解説

主な違い一覧

民事裁判 刑事裁判
争う当事者は誰? 一般市民(企業) VS 一般市民 検察官(国家) VS 被告人
呼称 訴えた人 原告
訴えられた人 被告 被告人
訴えれる人 誰でも 検察官
罪を証明する人 本人や協力者 国家(捜査)
処罰 死刑、懲役、罰金等
和解による解決 有り 無し(示談は可)
両者の立場 対等 国家が上
裁判員制度 適用されない 適用される

➀争う人の違い

民事裁判とは、一般市民(企業)が一般市民を訴えて、裁判所に争いの解決を求めるものです。裁判所は、両者の意見を聞きつつ中立の立場で判断します。

つまるところ、裁判所を挟んで、私人と私人が争うという形式ですね。

刑事裁判は、重大な事件において、検察官が民事裁判の原告のような立場に立ち、「罪を犯したと判断した人」を裁判所に訴え(起訴)、その責任を追及し法廷で争うことを言います。

刑事事件では、直接被疑者と争うのは検察官です。なので、実際の事件の被害者や家族は争う当事者にはなりません。ですが、民事であり刑事でもある裁判では、被害者家族が刑事裁判に参加することもあるようです。

➁呼び名の違い

民事事件において、訴えた人を「原告」と呼び、訴えられた人を「被告」と呼びます。

刑事事件においては、訴える人は検察官ですが、訴えられた人は「被告人」と呼びます。

「被告」と「被告人」は法律的には意味が全然違うので注意が必要です。

③訴える人の違い

だれでも訴訟を起こせる民事事件と違って、刑事事件では検察官のみが起訴の権限を持っています。

なので、検察官が有罪にできる思ったら裁判が始まりますし、有罪にならないと思ったら不起訴となります。

④和解による解決

和解とは、当事者同士がお互い譲歩して争いをやめようと契約することです。

民事事件では、法廷で争うよりも、そうならないように和解する方向で話が進むことも多いです。裁判になった後でも和解はありえます。

ですが刑事裁判では、検察官が弁護士や被疑者に和解を求めることはありません。

示談も和解のように思われがちですが微妙に違います。

示談とは、紛争の当事者が話し合いによって妥当な賠償額などを約束し争いごとを解決を図ることを言い、和解ほど歩み寄りの要素はありません。

また、和解が成立すると以下なり理由でも再度法定で争うことはできませんが、示談は事実が違ったりしたら再度法定で争うことは可能です。被害者が間違って和解を受け入れてしまえば、もう2度と争うことができないので注意です。

和解は裁判所を通して行われますが、示談は裁判所を通さず当事者同士で行われます。

⑤訴えた人と、訴えられた人の立場

民事裁判は、原告も被告も対等の立場で争います。ですが、刑事裁判では、被疑者より国家権力が圧倒的に上の立場で進んでいきます。

Q & A

民事事件と刑事事件の、両方で訴えられることあるの?

このパターンもあります。例えば、交通事故で被害者が亡くなられたときは、業務上過失致死罪がになり、民事事件でもあり、刑事事件としても扱われます。

離婚や相続騒動は民事事件?

離婚や相続などとった家庭内のトラブルも民事事件のように報道されることがあります。ですが、実際のところは「家事事件」と呼ばれます。裁判などの手続きの上においては「民事事件」の一種として扱われます。

容疑者って誰のこと?

容疑者ってよく言われますが、これは法律的な言葉としては存在しません。「被疑者」という言葉は「被害者」という言葉とよく似ているため、マスコミがわかりやすくするように作り出した言葉です。ニュースでは「容疑者」と言われますが、刑事ドラマでは「被疑者」と言われるのはこの理由からです。

被告と被告人って同じ?違うの?

民事裁判で訴えられた人を「被告」、刑事事件で訴えられた人が「被告人」と呼ばれます。「被告」とは、「被告人」という言葉をただ単純に省略した言葉ではなく、ちゃんとした意味の違いがあるんです。

たまに報道でも間違って呼ばれることがありますが、法律上では間違いです。