「徒に」って、読み方がわかりますか?
実はほとんどの人が読むことができなくて、正解率はわずか15%くらいです。
今回は、この「徒に」について、わかりやすく1分で解説したいと思います。
1分解説
「徒に」の意味
無駄に。何の成果も出ることがなく無益である。むなしく。むやみに。意味も無く。
「徒に」の解説
読み方は、「いたずらに」です。
何の成果も、何の結果も出ない状態を表現する時に使われます。
「このように会議の時間は、いたずらに過ぎていった。」
というように、目的がなく、目指す方向がないため利益も出ない、
その結果「無駄に」なるという意味が含まれています。
「徒に」と「無駄に」の違い
「いたずらに」の類語で、一番近いと思われるものは「無駄に」という言葉です。
この「無駄に」との違いを理解できれば、もっと「いたずらに」の言葉の意味を理解することができます。
①印象の違い
「無駄に」「意味も無く」という言葉が、ちょっとかしこまったイメージです。
例えば、やや重めのテーマのドキュメンタリー番組のナレーションで、
「そして、、、彼に残された時間は、ただいたずらに過ぎてゆくのでした。」
という使い方は、重くシビアな印象を与えることができますよね。
他に、マジメな文学書とかにも好んで使われる表現です。
カジュアルさはゼロであると言えますね。
②「目的」の有無による違い
両者の意味は、基本的にはほぼ同じになります。
ですが下記の場合、使い分ける必要ができます。
①会議の時間が、いたずらに過ぎてゆく
②事業の失敗により、投資が無駄になった
①の場合、「いたずらに」でも「無駄に」でも、どちらでも入れ替えて使えそうですね。
ですが②番の場合はどうでしょうか。
「いたずらに」は、明確な目的がなく、”意味も無く””むやみに”にというニュアンスが強いため、使いづらくなります。
もし、②番のケースで「いたずらに」を使いたい場合、投資をもっと漠然としたものであるとわかれば、使いやすくなります。
例えば、
「いたずらに投資をしても、事業の失敗をまねくだけだ」
とならハマりますね。
「無駄に」の意味は①にも含まれているため、「無駄に」の方が守備範囲が広いと言えるかもしれません。
「徒に」の例文
- そして、会議はいたずらに時間が過ぎていった。
- 目標が無かった学生時代は、いたずらに時間が過ぎていった。
- ここ数年、いたずらに騒ぎ立てる若者が後を絶たない。
- そんな警告をすれば、民衆をいたずらに混乱させてしまうはずだ。
もっと理解を深めるための雑学
「徒に」について説明してきましたが、「徒になる」だったらどう意味になるのでしょうか。
「期待した結果にならずに終わる。」「無駄になる。」という本来の意味に加え、「死ぬ」という意味で使われることがあります。
これは、「はかなくなってしまう」という意味から転じて、このように使われるようになったと言われています。