みなさん、「すし」はお好きですか?
このみなさん大好きな「すし」ですが、実は漢字が3種類もあるんです。
「寿司」と「鮨」と「鮓」ですね。
おそらく、どれも一度は見たことがあると思います。
この3つの「すし」をあらわす漢字ですが、実は全部意味が違うんです。
今回はこの違いを理解して、使い分けができるようにお伝えしたいと思います。
それぞれ意味の違う、「すし」の漢字
みんながイメージする「すし」の漢字は?
ではまず、すしの漢字でみんなが一番使っているものはどれでしょうか?
20~30代の男女2000人にアンケートを取ってみました。
「すし」は、どの漢字を使っていますか?
- 鮨 14%
- 寿司 81%
- 鮓 1%
- すし 4%
結構偏りがありますね。
世間一般のイメージとしては「寿司」が一番のようです。
にしても「鮓」は1%しかいないんですね><
漢字の成り立ち、語源
それでは、それぞれの漢字の成り立ちと意味を探っていきましょう。
そうすれば、それぞれの漢字の意味の違いがカンタンにわかります。
元をたどれば、「鮨」も「鮓」も中国では、実に紀元前あたりから使われていた古い言葉だとわかっています。
両者とも、川魚を保存用に調理したものを表しており、現代で言うと下記の食べ物のようなイメージでした。
- 「鮓」=なれずし
- 「鮨」=塩辛
そして日本に伝わってくると、その境目はあいまいとなり、「すし」の初期の頃のなれずしと似ていることからそのまま「すし」の漢字と使われてきているようです。
鮓
握りずしがまだ開発されていない「すし」の初期の頃、「すし」と言えば、塩づけにした魚やゴハンを発酵させた、「なれずし(熟れずし)」や「箱寿司」がすしの主流でした。
これらは発酵した自然の強い酸味が特徴で、”酸っぱい”という意味から「酸し」と呼ばれるようになりました。
この頃の「すし」使われた漢字が、先程紹介した、中国から入ってきた「鮓」という字です。
なので、「鮓」という字を使えば、「なれずし」や「箱寿司」を指すことが多いです。
鮨
「鮨」の成り立ちは、魚編の右側の「旨」の字は、握りずしの形を表していると言われています。
”日”がシャリで、”ヒ”がネタですね。
なので、「鮨」とは握りずしのことを意味することが多いです。
すし屋さんで、店名やのれんに「鮨」と書いてあったら握りずしをウリにした店、もしくは握りずし専門店である可能性が高いということになりますね。
握りずしをメインとする江戸前系の店名には「鮨」がよく使われます。
寿司
では、最後に「寿司」ですね!
「寿(ことぶき)をつかさどる」というめでたい意味ですね。
これは、江戸の末期、京都ですしを朝廷へ献上する際、最高に縁起の良い当て字としてつくられた言葉です。
陛下に”酸っぱい”という意味の食べ物は出せませんよね笑
なので、歴史的には「寿司」が一番あたらしくできた言葉になります。
その後、この「寿司」という字は、”握りずし”や”なれずし”以外に、”ちらしずし”や”稲荷ずし”にも使われ、寿司の総称のように使われることになりました。
最も守備範囲の広い、オールマイティー的な言葉ですね!
SUSHI
日本のすしは、世界的にも人気があります。
海外のファンの方からすると、漢字ではなく「SUSHI」が一般的になっているようです。
「ジャパニーズスシ(Japanese SUSHI)」とも呼ばれますね。
例外としてこれも1つあげさせてもらいました笑
どの地域でどの言葉が使われることが多いの?
自然発酵のなれずしは、大阪を中心にはじまったと言われています。
なので、なれずし表しているという「鮓」と言う言葉は、主に関西圏で使われることが多いです。全国のすし組合である「全国すし商生活衛生同業組合連合会」では、全国で唯一大阪だけが「鮓」という字を使っているくらいです。
また、「鮨」という言葉は、江戸前系の握りずしを指して使われることが多いので、主に関東圏で使われることが多いです。
結論
このように、歴史的にいろんな漢字があてはめられましたが、現代的には守備範囲の広い「寿司」が一般的になりました。
いろんな種類のすし使えるのが便利ですよね。
なので「寿司」を使っておけばまず間違うことはありません。
このことから、今後の未来は「寿司」で統一されていく傾向になるのでは、、、と予想されます。
実際、現代では81%の人がこの字を使っていましたね!
でも、「鮨」や「鮓」の方が”粋”なイメージがあるのでちょっと寂しいところですね。