「このサンマ、”あぶら”がのってておいしい!」
「隠し味のゴマ”あぶら”がすっごい効いてるよね!」
といった会話は、よく食事中にも聞かれると思います。
でもここで使われてる”あぶら”って、「脂」と「油」の使い分けはできますか?
さらに「膏」と書いても”あぶら”と読みます。
実は、”あぶら”には3つの漢字があるんです。しかも、、、3つとも明確に違う意味がありますよ。
ややこしいですね><
この違いを、カンタンに違いがわかるようにしますね!
「油」と「脂」と「膏」のカンタンな違い
まず、全てに共通する”あぶら”の特徴があります。
それは、「水に溶けない」ということと「水より軽い」ことですね!
「疎水性の物質」という前提はすべての”あぶら”に当てはまります。
油
一番なじみの”あぶら”ですね。
「さんずい(氵)」がついているので、水や液体に関わりがある漢字ということがわかります。
つまり、油とは「常温で液体状」の”あぶら”をさして言います。
「ごま油」、「オリーブ油」、といった植物性の”あぶら”(植物油)をはじめ、「灯油」や「軽油」といった鉱物性の”あぶら”(鉱油)もこの字を使います。
液体といっても、水のようにサラサラではなく、ドロドロの状態ですね!笑
脂
動物性のあぶらに使う場合「アブラ」
それに対して、「脂」は「常温で固体」の”あぶら”を表す言葉です。
つまり、肉の間に挟まっている脂肪などのことで、みんな大好きな、「大トロ」や「牛肉」や「ラーメン」でよく見かける”あぶら”です。
最高の霜降り肉にはよだれが出そうなほどおいしく見えますし、ラーメンには豚の背脂をチャッチャとかけたりしますね。
部首に「にくづき(月)」があるので、体を表す漢字であることがわかりますね!
このように、普段は固体である動物性の脂をさす場合が多いです。
「脂肪」「皮脂」「牛脂」などはこの意味で使われますね。
植物性のあぶらに使う場合「ヤニ」
また、動物性でないものにもこの字が使われることがあります。
例えば木の分泌する「ヤニ」ですね。
マツヤニに代表されるようjな「天然樹脂」です。
マツヤニも、漢字で書けば「松脂」と書きます。
その他の使い方
タバコのヤニにも「脂」が使われます。
あと、「目ヤニ」にもこの字が使われます。
膏
これも「にくづき(月)」があるので、動物に関する意味が強いと予測されます。
これは、「脂」のように固体のものを指すという意味ではなく、「肉のあぶら」のみをさす場合に使われます。
しかも皮膚からしみ出る”あぶら”は含まれません。肉と肉の間に挟まっている”あぶら”のみに使うことができます。
なので、ラードのような豚脂からできているようなものは、この字が使えます。
ですが、”あぶら”と聞いて「膏」という字はほとんど思い浮かびませんね。
一番イメージできるものは「軟膏」や「絆創膏」ではないでしょうか。
「絆創膏」は、2000年前に豚脂などをつかって現在の絆創膏のようなものをつくっていたので、この字が使われているのかもしれませんね。
「軟膏」も、「膏」には”動物からとった練薬”といった意味が含まれているので、そういったところからきているのでしょう。
以前は豚脂が使われていたことも由来しているのかもしれませんね。
まとめ
では、まとめるとこうなります。
「油」=常温で液体状。可燃質・疎水性。植物性・鉱物性のものをさす場合が多い。
「脂」=常温で固体。疎水性。動物性のものや、樹脂などに使われることが多い。
「膏」=動物のあぶらにのみ使われる。
例外的な使い方
上記のように分類されますが、一部これに当てはまらない例外があります。
この2つは例外です。
ココナッツオイル
ココナッツオイルって、健康によいとか話題になっていますね。
ですがこのココナッツオイルって、料理で使ったことがある方はよく知っていると思いますが、”常温では固体”ですよね?
オリーブオイルのように垂らして使うことはできず、スプーン等ですくって使いますね。
にもかかわらず、「ココナッツ脂」ではなく「ココナッツ油」と表記される場合が多いです。
これは、「油」が植物性のものをさす場合が多いからかもしれませんね。
ガマのあぶら
「ガマの”あぶら”」って、なぜか「ガマの油」と書かれます。
もちろん、軟膏のように普段は固体で、さらに動物性でもあるにもかかわらずなぜか「油」が使われています。
(※ガマのアブラは体表からでる”アブラ”なので、動物性であっても「膏」は使えません)
正直ナゾです笑
これはもう、ほとんど「ガマの油」というもの自体が、一般名詞から固有名詞化してしまったからかもしれませんね。
引き続き調査していきます。
(※画像はイメージです)