「歳」と「年」の違い ”としはいくつ?”と聞くならどちらを使う?

「年」と「歳」って意味の違いがわかりますか?

どっちも”とし”と読むし、意味も近そうだし、なんだかわかりそうでわかりにくいですよね。

1つ質問させてくださいね。

年齢を誰かに聞くとき、次のうちどちらが正しいと思いますか?

  • 「年はいくつ?」
  • 「歳はいくつ?」
  • どちらでも正しい

キッチリ使い分けができますか?

実際、日本ではどちらの方が多く使われているかというとコチラです。

  • 14% 「年はいくつ?」
  • 64% 「歳はいくつ?」
  • 22% どちらでも正しい

この結果から、ほとんどの方が「歳はいくつ?」を使っていますね。

公用文以外だったら、基本的にどちらでも間違いではありません。

ですが厳密に言うと、

「歳」に常用漢字一覧の中に「とし」という訓読みはありません!

「歳」は、音読みの「サイ」か「セイ」しかないのです。

なので、この場合はこれが一番無難な使い方になります。

  • 「年はいくつ?」
  • 「15歳です。」

では、それぞれの違いを知って、キッチリ使い分けができるようにしておきましょう!

「年」と「歳」のニュアンスの違い

先程、「年はいくつ?」と「歳はいくつ?」だったら、「年」を使うほうが無難と言いました。

ですが念のために言うと、公用で使う以外は、どちらが絶対的な正解ということはできません。

ですが、微妙に意味が違いがあるので、その違いをまとめていきますね、

「年」のメインとなる意味は、「1年」です。もしくは「12ヶ月」のことです。

太陽暦では、地球が太陽の周りを一周する時間のことを言います。

つまり、365.2422…日のことですね。

また「年」は、「歳」とは違い、”2019年”や”10年間”といった、かなり客観的で一般的な「期間」を表す際に適した言葉として使われています。

意味は「年」とほぼ同じと考えてもらって大丈夫です。

ニュアンスの違いといえば、「年」と同じように一般的な「期間」を表すことにももちろん使っていますが、「15歳」とか「35歳」とか、「期間」がいくつか重なってできたものに使われるイメージです。

その結果、若干ですが主観的な要素が入っているように思います。

まとめ

このように、両者ともかなり違いは微妙なところとなっています。

唯一といっても良い両者の決定的な違いは、「歳」には常用漢字として「とし」という読み方が無いというところだけです。

つまるところ、読み方が違うくらいですね。

それ以外は、ほぼほぼ同じ意味と考えてよいでしょう。

「歳末」と「年末」はほぼ同じ意味ですね笑

「歳」と「年」の意味の違い一覧

本来の意味 一年。年齢。
作物のみのり。木星。
12か月を単位とする時間。
,穀物が成熟すること。実り。
読み方(音読み) サイ・セイ ネン
読み方(訓読み) △とし・とせ・よわい とし
部首
画数 13画 6画
学校で習う年齢 中学1年生 小学1年生

もっと理解を深めるための雑学

漢字の成り立ち

「年」という漢字は、「成熟した稲」という象形と「人」の象形から成り立ちました。

そこから「実ること」「成熟した穀物」という意味になり、「とし」を意味する言葉になっています。

「歳」という漢字の成り立ちは、「左右の足跡」の象形と「斧」の象形からなりたちました。

斧でいけにえを裂いて、1年ごとに祭るという儀式のことですね。

そこから「とし」を意味する「歳」という漢字が成り立ちました。