「制作」と「製作」の違い。1分でわかる上手な使い分け

「製作」と「制作」って意外と使い分けって難しいですよね。

何となくイメージはわかるような、、、そんな方も多いと思います。

ここでは、両者の明確な意味の違いを理解して、日常生活でしっかりと使い分けができるようになることを目指してまとめていきたいと思います。

ぜひ最後までお付き合いくださいね!

「製作」と「製作」の本来の意味

「製作」の意味

「道具や機械をつかってモノを作ること」と言う意味です。工場でモノをつくったり、実用的なモノや器具をつくる場合に使われます。

量産すると言えばわかりやすいと思います。

例文

  • この部品は、長野県で製作されてるよ。
  • この家具の製造元はどこですか?

「制作」の意味

「芸術作品をつくる」という意味があります。映画やアニメ、テレビ番組をつくるのはこちらが使われます。また、卒業制作もこちらになります。

例文

  • 大学の頃、音楽制作活動をしていた。
  • 卒業作品の制作に早く取り掛からないと!

明確な違いの基準とは?

両者とも「つくる」という意味は同じですね。

両者を明確に分ける基準は「その人の持つ才能を活かして、創造性や独創性を込める必要があるかどうか?」ということになります。

オリジナリティがあるかといっても良いかもしれませんね。

「製作」と「製作」をしっかりと使い分けできるようになろう

練習問題

ではここで、冒頭で出した問題の解説をしてきます。

Q:次の「せいさく」はどちらになるのでしょうか?

  • 広報として、映画「せいさく」に携わっています。
  • 映画の小道具を「せいさく」しました。
  • ホームページを「せいさく」する。

こちらは本当に微妙なところですね。

映画をつくる場合には、一般的に「制作」が使われます。脚本や撮影や編集など、作品としての映画をつくる場合ですね。

ですが、プロデュースやビジネス(利益追求)に関わる部分(企画開発、資金調達、宣伝活動など)を表すには「製作」が使われることがあります。
(制作も含めた映画をつくること全般を「映画製作」と呼ぶ場合もあります)

この問題の場合は広報なので、「製作」の方が適しているかもしれません。映画スタッフでも「製作」と「制作」をキッチリ分けられている場合も多いです。

例えば「ハウルの動く城」を調べたところ、下記のようになっていました。

  • 制作:スタジオジブリ
  • 製作:「ハウルの動く城」製作委員会

このようにキッチリ使い分けられていますね。

また、映画の小道具でも、本当にただのセットの一部を作る場合は「製作」になると思いますし、その映画でどうしても必要な創造性を引き出すための小道具なら「制作」になると思います。

次にホームページですね。

ホームページでも人の心をつかむような意思があるページなら「制作」になると思いますし、とりあえず大量生産して存在だけさせたいなら「製作」になると思います。

たとえ、どちらでも取れるような中間のような場合の「せいさく」であっても、そこに「『創造性』や『独創性』を発揮すべきかどうか?」を考えると、カンタンに使い分けをすることができます。

「製作」と「制作」の本来の意味 まとめ

製作 制作
読み方 せいさく せいさく
意味 道具や機械をつかってモノを作ること。 芸術作品をつくること。彫刻、放送番組、音楽などを作り出す。
特徴 同じものを量産する。 1つしかないものを作り出す。

「製」と「制」に込められた意味

調べていく上で、おもしろいことがわかりました。

「製作」と「制作」はつくるということでは同じ意味ですね。

ですが、「製」と「制」はどのような意味の違いがあるのでしょうか?

まずは、両者の違いを見てください。

意味 つくる
たつ
仕立てる
①形を作り整える
②秩序づける
③支配者の命令
④おさえつける
⑤意のままにする
読み方(音読み) セイ セイ
読み方(訓読み)
画数 14画 6画

こんなに違いがあるんですね。

「製」は一般的に「つくる」です。それに対して、「制」は「整える」とか「秩序づける」というように、明らかに誰かの意思が入っていますよね。

例えば、誰かの意思によって行われる「制御」という言葉は、絶対に「製御」とは言うことができません。

意味が合わないですよね。

なので「製作」と「制作」は、たまたま読みが一緒になってしまっただけで、全く違う意味の言葉だということが良くわかります。

語源を見ていくと、言葉の意味がよりわかりやすくなりますね。