「ダブル(double)」「ツイン(twin)」「デュアル(dual)」という3つの単語は、それぞれ「2」に関わる意味を表しています。
ですが、この3つの言葉の違いを正確に使い分けることができる人はあまりいません。
今回は、例を出しながら、この意味の違いをわかりやすく説明したいと思います。
3つの単語使い方 「使える条件が違う」
「ダブル(double)」
量や数量などが、2倍や2重になっていること
ただ単純に、何かの量や数が2倍程であること、もしくは2重になっているいことを表します。
レストランなどで、量を2倍にするときは「ダブル」と表記されています。
そう考えると、2重になっているダブルバーガーなんてそのまんまですね!
また、スポーツでも、5-10といった片方のチームがもう片方の2倍の得点を入れたとき、「ダブルスコア」と言ったりもします。
特に条件もなく深く考えずに、量や数が「倍」「二重」であるといった意味で捉えて問題ないと思います。
使用例
- ダブルバーガー
- ダブルサイズ
「ツイン(twin)」
同じように似たものが2つあること
これは、同じ2つでも条件があって、「同じもの」もしくは「似ている思うもの(思われるもの)」が2つそろうことを意味しています。
「対を成す」ことが成立していればこの言葉を使うことができます。
例えば、同じビルが2つ並んでいることを「ツインタワー」、双子を「ツインズ」と呼んだりしますね。
使用例
- ツインタワー、ツインビル
- ツインベッド
- ツインテール
「デュアル(dual)」
違うものが2つあること
こちらはtwinの意味と似ていますが、twinが同じものが2つセットになっていることに対して、dualは違うものが2つセットになったものを指します。
例えばテレビ番組で、「主音声」と「副音声」に分かれている音声多重方法の場合は、「デュアルステレオ」と言われます。
同じ番組の中でも、2つの違う音声があるから「dual」が使われるんですね。
また、パソコンのモニタが二つあることを「デュアルモニタ」や「ツインモニタ」とよく言われます。
パソコンにモニタを2つなげて、同じ型番のモニタを使っているという意味なら「ツインモニタ」で、同じ型番でもそれぞれの画面に別のものが写っているという意味なら「デュアルモニタ」という捉え方になるかもしれません。
使用例
- デュアルディスプレイ
- デュアルキャラクター
- デュアルステレオ(2ヶ国語放送等)
「ダブル」「ツイン」「デュアル」のわかりやすい例
ベッド
ベッドの世界には、「ツインベッド」「ダブルベッド」「デュアルベッド」と3つ使い方があって、それぞれで全く意味が異なります。
この言葉の意味を知るにはピッタリの題材です。
ツインベッド
シングルベッドが2つ置いてあることを、「ツインベッド」と言います。
ホテルの予約で、部屋のタイプで「ツイン」「ツインタイプ」「ツインルーム」等と書いてあればこのタイプです。
ポイントは、「同じ形をしたベッドが2つ」あることです。
ダブルベッド
シングルベッドの横幅を広げ、1つのベッドで2人が寝れるようにしたものを「ダブルベッド」と言います。
ホテルの予約で、「ダブル」「ダブルタイプ」と書いてあれば、大きなベッドが1つある部屋という意味になります。
ポイントは、「大きさが2倍ほどあるベッド(正確には1.5倍くらい)」ということですね。
デュアルベッド
あまり聞きなれないかもしれませんが、大きさの違うベッド一組のことを「デュアルベッド」と言います。
例えば、親子ベッドのように、大きさの違う大人用と子供用のワンセットのことを指したりします。
ポイントは、「大きさや形が違うベッド2つ」が一組となっているタイプですね。
二重人格者
二重人格者とは、同じ人物の中に「A」という人格と「B」という人格と、全く違う2つの人格が存在してると言う意味です。
これを英語で言うと、「デュアルキャラクター(dual character)」「ダブルキャラクター(double character)」と、二つの言い方があります。
この2つの言葉が指す意味合いとしては、「2つの違う人格があること」をクローズアップした意味なら「dual character」で、ただ「人格が2つある」と言うだけの意味では「double character」なのかもしれませんね。
では、「twin character」という言い方は無いのでしょうか?
二重人格者は、その人物の人格が2つあるということは、もちろんそれぞれ「別のもの」であることが前提です。もし、同じ人格が2つあれば「twin character」になりますが、同じ人格が2つあっても、、、人間としたら1つの人格ですね。
なので、「twin character」と言われることはありません。
興味深い話で、役者が1人2役演じることは「double」と言います。全く別の役を演じているはずなのに「dual」が使われないのですね。
これは、たとえ2役演じたとしても「役者の人格は1つだ」という意思のあらわれなのかも知れませんね。
このように、「ダブル(double)」「ツイン(twin)」「デュアル(dual)」には明確な意味の違いがあるのです。
奥が深いところです。
具体的な意味
言葉 | 品詞 | 内容 |
ダブル double 【dˈʌbl】 |
名詞 | ① [加算]2倍の、[不加算]2倍の(量、数) ② 二重、重なり、折り返し ③ 生き写し、代役 ④ 逆走 |
形容詞 | ① (数・量・強さなどが) 2 倍の、ダブルの ② (…の) 2 倍の、二重の、二様の、対(つい)の、二つに折った ③ 二人用の ④ 裏表のある、不誠実な ⑤ 二様にとれる、あいまいな ⑥ ウイスキーなどで)ダブルの、2倍の量の |
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動詞 | ① 倍にする ② 2重にする、重ねる、折りたたむ ③ 二役を務める |
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副詞 | ① 2倍に ② 二重に、二様に、 ③ 対を成して、二人で(一緒に) |
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ツイン twin 【twín】 |
名詞 | ① 双子の1人、[複数形で]双生児、ふたご、似た人、対の1人 [不加算]双生児、ふたご、対 ② ふたご座 |
形容詞 | ① ふたごの ② 対を成す、対の、よく似た |
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動詞 | ① 対にする ② 姉妹関係にある |
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デュアル dual 【d(j)úːəl】 |
形容詞 | ① 2 の、2 を表わす、二者の ② 二重の、二つの部分から成る、二元的な、 ③ 両数の |