「思い」と「想い」の違いを、1分でわかりやすく解説

「思い」と「想い」はどちらも同じ読み方ですよね。

しかも、”気持ち”や”考え”を表す言葉であることも共通しています。

では、、、違いは何なのか気になりますよね。

今回は、「思い」と「想い」の違いを、1分で読めるようにまとめてみました。

「思い」と「想い」の違い

意味の違い

「思い」 = 頭の中に思い浮かべた”考え”。

「想い」 = 頭の中に思い浮かべた、感情を伴った”考え”。

基本的に、「考え」ということは同じなので、大きな意味の違いはありません。

思い

「思い」とは、基本的には”考え”という意味です。

「意思」「思考」といった言葉に使われているように、特に、の中でしっかりと理由のある・論理的な考え”に対して使われます。

その”考え”とは、「予想」「推量」「願い」「経験」といった感情を含んだものまであって、幅広い意味があります。

  • 「思い通りになった」(推量)
  • 「とても嫌な思いをしました」(経験)
  • 「思いのほかの収穫」(予想)
  • 「長年の思いがかなう時が来た」(願い)

といった使われ方ですね。

想い

「想い」もまた、基本的には「考え」という意味です。

ですが、”想”という字には、「対象を心に思い浮かべること」という意味があるので、「思い」のような”理論的な考え”とはニュアンスが異なってきます。

「想像」「理想」といった言葉にも使われるように、特に、えきれない・自然と湧き出る感情”や”頭の中に湧き出すイメージ”に対して使われます。

  • 「片想い」
  • 「想いを打ち明ける」
  • 「故郷を想う」
  • 「どうしても叶わない想い」

という、感情を伴った使われ方をします。

念い

「おもい」には、もう一つ漢字が使われています。

「念」という字ですね。

”念”という字には、「かねての望み。念願。」という意味があります。

「念願」「怨念」という言葉に使われるように、”思い”や”想い”よりもより強い願望や信念に対して使われます。

強い思いで願う「念じる」とは、まさに”強い思い”のことですね。

「おもい」の強さでいうと、下記のようになると思われます。

  • 念い>想い>思い

常用漢字の違い

内閣告示をしている常用漢字表を見てみると、「思い」は掲載されていますが、「想い」「念い」は見当たりません。

つまり、現代国語の目安として。「おもい」という言葉に適している漢字は「思い」であるということですね。

なので、もし「思」「想」「念」どれを書こうか迷った時、「思い」を書くほうが無難です。

ですが、常用漢字表というものはあくまでも目安なので、日常生活において使う分にはどちらを使っても問題はありません。

ただ、放送などのメディアでは、常用漢字の「思い」が使われることがほとんどです。

「思い・想い」の意味

辞書で、それぞれの意味を調べると、

おも・い【思い/想い/念い】

となっていることがあります。

つまるところ、辞書的には特に使い分けされているというわけではなく、同じ意味ととらえているということですね。

また、「おも・い【思い/想い/念い】」の意味は、下記のようになっています。

① 思うこと。思うところ。考え。思慮。 「 -を述べる」 「 -にふける」
② 感じること。感じ。経験。 「いやな-をした」 「やっとの-で作り上げた」
③ 予想すること。もくろみ。推量。 「 -どおりになる」 「 -のほかの収穫」
④ あれこれ心に浮かべること。 「 -が乱れる」
⑤ 気にかけること。心配すること。 「親-」 「 -に沈む」
⑥ 希望すること。願い。 「 -を遂げる」 「長年の-がかなう」
⑦ 思いしたうこと。恋すること。恋心。 「 -を寄せる」 「 -がつのる」
⑧ 恨み。にくみ。
⑨ 喪に服すること。また、その期間。喪中。 「女のおやの-にて山寺に侍りけるを/古今 哀傷詞」 〔「想い」 「念い」などとも書く〕

by 大辞林 第三版

かなり多くて、9個も意味があります。

つまり、この9個の中で「思い」「想い」「念い」をいう字を使うにふさわしいパターンがあるということなんですね。

先述のそれぞれの違いを見て、うまく使い分けをしていきましょう!