「ずつ」と「づつ」って、意外とわからなかったりしますよね。
実際のところ、「少しずつ」「少しづつ」だったら、どっちを使っていますか?
次のうち、正しい使い方はどれだと思いますか?
- 87% 少しずつ
- 10% 少しづつ
- 3% どちらも正しい
この結果では、現代では圧倒的に「ずつ」が使われています。
歴史的に見て、じつは面白いことがわかったので報告していきますね。
文法的には、本当はどちらが正しいの?
文化庁が発表した「答え」
日本語の「ずつ」「づつ」論争で結論を出してくれているのは、実は政府なんです。
文化庁が「現代仮名遣い」によって正式なガイドラインを定めています。
それぞれ年代によって、正解が変わるのでまとめてみました。
昭和21年以前
最初は、「づつ」が正式に使われていました。歴史的には「づつ」の方が圧倒的に長いんです。
ですがこれは、「ちょうちょう」を「てふてふ」と読んでいたように、歴史的仮名遣いの一種と言う認識でした。
いわゆる古典の授業にでてくるようなものですね。
昭和21年版、「現代仮名遣い」での発表
そして、現代のかなつかいを統一しようとして文化庁が発表した「現代仮名遣い」の中で、「ずつ」を原則として使うことが定められました。
この制定によって、新聞やテレビなどのマスコミ、雑誌や書籍などでも「ずつ」が採用されることとなりました。
近代社会において「づつ」の使い方は間違いとなったんですね。
昭和61年版、「現代仮名遣い」での発表
この年でも「ずつ」が正式と定められましたが、昭和21年版と微妙に変更がありました。
公用・教育・マスコミでは「ずつ」を使うことを原則としながらも、一般的な使い方として「づつ」も決して間違いではないよという方針に急展開しました。
現代文学や、歴史を大切にする流れから、「づつ」は間違いではありませんよという認識となります。
歴史的な文書を引用したりする際、当時の「づつ」のまま使わなければならなかったり、いろいろ不都合があったからかもしれませんね。
なので現代おいては、「ずつ」が一応正解となりますが「づつ」も決して間違いというわけではありませんという状況です。
あいまいですね笑
「ず」と「づ」にまつわる雑学
一人ずつの「ず」「づ」論争以外にも、たくさんの同じようなパターンがあります。
現代では、「ず」「づ」のどちらでも使えるパターンなら、「一人ずつ」のように「ず」が使われるのが一般的となっています。
例えば、「つまずく」「みみずく」「ひざまずく」といったような言葉ですね。
なので「づ」は使わず、すべて「ず」を使えば解決する、、、というわけではありません。
その例外が2つあるので、覚えておくと便利ですよ。
「づ」を使う、2つの例外を覚えておこう
例外① 同じ「つ」の音が続く場合
。下記のような場合は「づ」が使われます。
- つづる(綴る)
- つづく(続く)
- つづみ(鼓)
例外② 元の漢字の読みが「つ」だった場合
「つつみ(包み)」のような場合、元の字が「つ」なので、その「つ」に濁点をつけた「づ」が使われます。
- おこづかい(お小遣い)
- たからづか(宝塚)
- つねづね(常々)
- こづつみ(小包)
例外の中の例外
上記の法則にしたがっていけば、ほぼ「ず」と「づ」はマスターできたと言えそうですが、、、実は例外の中に、さらに例外があるんです。
みなさん、これらの漢字のひらがなはどう書くと思いますか?
- 稲妻
- 融通
普通なら、例外②が適用されそうですが、、、
文化庁はこう定めたんです。
- いなずま(稲妻)
- ゆうずう(融通)
※昭和61年「現代仮名遣い」より
ややこしいですね、、、
これはもう覚えてしまうしかありません。
実際、「稲妻」のひらがなはみんなどうやって書いているのでしょうか?
「稲妻」の正しいひらがな表記はどれだと思いますか?
- いなずま 22%
- いなづま 75%
- いなつま 3%
ほとんどの人が「いなづま」だと思っているようですね。
ですが、これは本当に間違っているんです。
パソコンなどで、「いなづま」とひらがなで打っても、「稲妻」と自動変換しれくれないんです。「いなずま」と入力しないと自動変換されません。
(Microsoft IMEの場合です)
日本語の奥は深すぎますよね、、、><