「砂漠」「砂丘」の違い 意外にイメージと違う砂漠の姿

砂漠というと、サラサラの砂地がどこまでも続くイメージですよね。

ですが、砂丘ってどんなイメージでしょうか?

まず思い浮かぶのは鳥取砂丘ですね。

でも、同じサラサラの広大な砂地でも「鳥取砂漠」とは言われることはありません。

それは「砂漠」と「砂丘」には明確な違いがあるからですね。

その違いについてまとめて行きましょう!

「砂漠」「砂丘」の意味の違い

砂漠

砂漠とは?

砂漠って、ただ乾燥したり一面の砂があれば「砂漠」と呼べるわけではないんです。

実は、定義づけがいくつかされていて、それをクリアしなければ「砂漠」と呼ぶことはできないんです。

主に下記のようになります。

■砂漠の定義

  • 年間降雨量が250mm以下
  • 降雨量よりも蒸発量の方が多い
  • 砂や岩石の土地が多い       etc…

このように、降雨量などがかなり具体的に細かく条件が決められています。

年間降雨量が250mmって本当に少ないですよね。日本では、豪雨なら1日で超えてしまうこともありえます。

この条件をみてみると、砂漠と砂丘は別物ということが推測できますね。

なので、、、鳥取砂丘は砂漠ではありません!

砂漠といわれる地域が日本には存在しないんです。
(東京都の伊豆大島の奥山砂漠、表砂漠、裏砂漠は、条件を満たしていないため厳密には砂漠ではありません)

砂丘

砂丘とは?

では次に砂丘です。

砂丘とは、風によって運ばれた砂が、長い年月をかけてある箇所に堆積してできあがった丘状の地形のことを言います。

砂丘にはできる場所によっていくつか種類があって、鳥取砂丘のような海岸にできる「海岸砂丘」と、砂漠の中にできる「内陸砂丘」、湖畔にできる「湖畔砂丘」があります。

なので、砂漠のように広い地域のことを指すような言葉ではありません。

1つの地形を表すくらいのやや小さめの規模のものをさす言葉です。
(砂漠という広い地域の中に、砂丘という地形があるイメージかもしれませんね)

また砂丘は、砂漠のように砂砂漠、土砂漠、岩石砂漠、礫砂漠といった種類があるわけではなく、風で運ばれることのできる砂(砂丘)だけです。

砂丘と砂浜

では、海岸にできる海岸砂丘って、砂浜とほぼ一緒!?のように感じるかもしれません。

確かにできる場所も規模も似ています。

これらは定義が違っていて、風が運んで砂が堆積したものを「砂丘」、潮の流れによって砂が堆積したものを「砂浜」と呼びます。

なぜ砂丘ができるの?

砂丘ができるメカニズムはカンタンです。

まず、砂丘の砂の元になるものは、川の上流にある岩です。

その岩が川の流れによって上流から流されてきて、河口にたどり着くまで細かく砕かれ、大量の砂となります。

そしてその砂が、河口の強い風によって飛ばされ、防砂林などによって受け止められます。

その砂が受け止められた場所は、他の砂もそこで受け止められるので、長い時間かけて堆積していきます。そうすると、だんだんと大きくなり防砂林以上の高さになってきます。

その結果、その堆積した砂丘そのものが防砂林と同じ働きをし、さらに大きな規模になり、砂丘となっていきます。

こうして鳥取砂丘のような砂丘ができていったのですね。

日本の主な砂丘

  • 石狩砂丘(北海道)
  • 紅葉山砂丘(北海道)
  • 猿ヶ森砂丘(別名:下北砂丘、青森県)
  • 庄内砂丘(山形県)
  • 志多見砂丘(会の川砂丘)(埼玉県)
  • 鷲宮砂丘(埼玉県)
  • 高野砂丘(埼玉県)
  • 内灘砂丘(石川県)
  • 中田島砂丘(南遠大砂丘)(静岡県)
  • 浜岡砂丘(南遠大砂丘)(静岡県)
  • 上り山(京都府)
  • 鳥取砂丘(鳥取県)
  • 古浦砂丘(島根県)
  • 吹上浜(鹿児島県)

もっと理解を深めるための雑学

砂漠の本当の姿

砂漠って言うと、どこまでも続く大量の砂と、照りつける太陽というイメージがあると思います。

ラクダにのった人々が、砂の上を歩いている映像はよくテレビでも流れると思います。

ですが実際は、砂だけの砂漠って「砂砂漠」と呼ばれていて、砂漠全体の20%ほどしかありません。

砂漠と言われる地域は、大半が石がごろごろしている「礫砂漠(れきさばく)」と呼ばれる地域です。また、むき出しの岩石でできている「岩石砂漠」や、土や粘土でできている「土砂漠」もあります。

■砂漠の占める割合 ランキング

  1. 礫砂漠(れきさばく)
  2. 岩石砂漠
  3. 砂砂漠 20%
  4. 土砂漠

このように、砂漠の中で一番多いのは、砂砂漠ではなく礫砂漠なんです。

有名なサハラ砂漠も80%が岩石砂漠で、イメージの強い砂砂漠はほんの一部なんです。

砂漠の大きさランキング

砂漠といえば、、、「サハラ砂漠!」

と答える人は多いと思います。

でうが、世界最大の砂漠は、サハラ砂漠ではないんです。

定義に従ってランキングをつけると、下記のようになります。

名称 面積 地域
1 南極 1420万 km2 南極
2 北極 1390万 km2 北極
3 サハラ砂漠 910万 km2 アフリカ
4 アラビア砂漠 260万 km2 中東
5 ゴビ砂漠 130万 km2 アジア
6 パタゴニア砂漠 67万 km2 南アメリカ
7 グレートビクトリア砂漠 64万 km2 オーストラリア
8 カラハリ砂漠 57万 km2 アフリカ
9 グレートベースン 49万 km2 北アメリカ
10 シリア砂漠 49万 km2 中東

日本最大の砂丘

日本最大の砂丘といえば、もちろんあの「鳥取砂丘」、、、ではないんです。

実は、青森県の「猿が森砂丘」で、なんと鳥取砂丘の30倍の広さがあります。

ですが、この猿が森砂丘は、防衛省技術研究本部の下北試験場(弾道試験場)の敷地になっているため一般人はなかなか入ることができないんです。

もちろんガイドブックにも掲載されないのでほとんど知名度はありません。