「デーモン」「デビル」「サタン」って、日本語に直すとすべて「悪魔」や「悪霊」って訳されますよね。
でも、、、なぜ同じ意味の言葉がたくさんあるのでしょうか?
もちろん、それぞれ必要があってうまれた言葉なので意味は違います。
調べたら、歴史の中で興味深く意味が変わってきたことがわかりましたので、違いを見ていきましょう。
具体的な言葉の意味の違い
悪魔
仏教において、仏道を邪魔する邪悪な存在。または煩悩そのものをあらわすこともある。
サタン (Saturn)
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教における悪魔です。
ユダヤ教、キリスト教では神と敵対し、イスラム教では人間と敵対する存在です。
新約聖書内で、サタンは人を誘惑し神の道からそらせように仕向け、神の計画を妨げようとします。
また、キリスト教では、元々悪魔は天使で、その天使が堕天して、悪魔となっていったと考えられています。
悪魔は「天使」だったんですね。
悪魔たちのリーダーとして考えられたルシファーも、「堕天使」であるので納得がいきます。
デーモン (Daemon)
何千年も前の話になりますが、ギリシャ語のダイモーンに由来し、元々は「死者の魂」という意味でしたので、「悪」だけでなく「善」の側面も持ちました。
そのため、全ギリシャ神話内で、人間に不幸をもたらす邪悪な存在という一般的な意味だけでなく、限りになく神に近い存在としてみなされることもあります。
しかし、キリスト教が生まれた初期キリスト教の時代になってから、「デーモン=悪」の意味だけが浸透し、現代のように悪霊、悪魔の側面をもつ言葉となっていきました。
このあたりの歴史が、サタンとデーモンのがごっちゃになった理由かもしれません。
デヴィル (Devil)
「悪魔」という意味の単語です。
「The Devil」となれば魔王となり、「Delils」となればその配下の悪魔たちを指します。
つまり「神と敵対する存在全般」を表し、日本語ではサタン、デーモン、悪魔と訳されるので、一番守備範囲が広い言葉となります。
ほかの言葉ほど、宗教的側面や歴史的背景は見つかりませんでした。
そういった意味では、最も無難に使える言葉ですね笑
では、なぜ「悪魔」が存在するの?
では、なぜ「悪」の象徴として存在が必要だったのでしょうか?
映画でも、波風たたない映画より、悪者が出てきてそれを倒せばより物語が盛り上がりますよね。
それと同じように、神の存在が絶対的になものとして認識してもらうためには、神の存在をより引き立たせるために、「人々が何かにおびえる存在」が必要だったのです。
そうして生まれたのが悪魔ですね。
そして、その悪魔を神が倒せば、、、人々は神の存在を信じてしまいますよね。
信者を獲得するために、どうしてもそういった存在が必要だったのです。
まとめ
調べると、意外に歴史がありました。
デーモンは「神に近い存在」、サタンは「天使」であったように、全て意味も語源も違いますが、長い歴史や神話などで徐々に意味が似てしまった、、、ということなのかもしれませんね。