「意志」と「意思」は、もちろん違う意味の言葉です。
ですが、少し似た意味ではありますので、両者の境目がわからなかったりして、あいまいに使っている人がとても多いです。
今回は、両者の違いを、1分で読めるようにまとめてみました。
意味の違い
「意志」の意味
①あることを行いたい、または行いたくないという考え。意向。
②目的や計画を選択し、それを実現しようとする精神の働き。
by デジタル大辞泉
「意思」の意味
①何かをしようとするときの元となる心持ち。
by デジタル大辞泉
使い分けの方法
”積極的に行動する”かどうかの違い
まず、「意志」と「意志」の両者に共通していることは、何かしようという「考え・思い」があることです。
例えば、あなたが「東大に入りたい」と考えていたとします。
その「東大へ入りたい」という考えのことを、「意思」と言います。
また、「東大へ入りたい」という考えを貫き、積極的に達成しようと行動を起こせば、その考えは「意志」となります。
「意志」は、
- 「あの人は意志が強い」
- 「私は意志を貫く」
という使い方できるように、強い気持ちがあります。
つまり、何かを成し遂げたいという積極的な気持ち、つまり”志(こころざし)”が含まれます。
それに対し「意思」は、
- 「彼らの意思を尊重する」
- 「意思の疎通をはかる」
と言ったように、「誰かの、考え・思い・思想」そのものを表します。
必ずしも行動にうつさないという、ネガティブは意味はありません。
用途による違い
また、用途によっても使い分けされることがあります。
「意志」という言葉を使いたい時、同じ意味ながら、”哲学や心理学”と”法学”では使い方が異なります。
哲学や心理学では「意志」が使われ、法律用語としては「意思」使われます。
確かに、犯罪行為をもくろんだ時、それを行動に移したり達成しようとすることに「意志」という言葉を使うのは適切ではありませんね。
おそらく、「意志」は前向きな良いイメージであるから、犯罪心理が多い法学としてはあえて「意思」という言葉を使っているのかもしれません。
実際に、「犯人の意思」というように使われます。