「こわい」と「おそろしい」って、同じ意味のように感じますよね。
ですが、厳密に言えば使い分けがあるんです。
実は、わたしたちも無意識の間に使い分けてたりしますよ。
今回は、両者の違いについて、1分で読めるようにまとめてみました。
意味の違い
「こわい(怖い/恐い)」の意味
①それに近づくと危害を加えられそうで不安である。自分にとってよくないことが起こりそうで、近づきたくない。
②悪い結果がでるのではないかと不安で避けたい気持ちである。
③不思議な能力がありそうで不気味である。
by デジタル大辞泉
「おそろしい(怖ろしい/恐ろしい)」の意味
①危険を感じて、不安である。こわい。
②程度がはなはだしい。
by デジタル大辞泉
「こわい」と「おそろしい」の使い分け
常用漢字による違い
まずは、両者はどのような漢字を使うのが適切でしょうか。
「こわい」も「おそろしい」も、どちらも「怖い/恐い」「怖ろしい/恐ろしい」と一般的に使われていますよね。
ですが、現代国語の目安となっている「常用漢字」に指定されているのは、下記なんです。
- こわい=「怖い」
- おそろしい=「恐ろしい」
実は、「恐い」と「怖ろしい」は常用漢字ではないんです。
なので、報道とかのメディアでは「怖い」と「恐ろしい」が使われることが一般的です。
迷ったら間違いなくこちらを使いましょう。
主観性と客観性による違い
では次に、具体的な意味の違いを見ていきましょう。
先述のように、「怖い」は「自分にとってよくないことが起こりそうで近づきたくない。」という意味で、「恐ろしい」が「危険を感じて不安である。」という意味です。
この両者の決定的な違いは、「自分にとって」という主観的な意味があるかどうかです。
つまり、主観的な出来事には「怖い」を、客観的な出来事には「恐ろしい」と使いわけることができます。
例①
例えば、このような例文を使うと分かりやすいです。
自分が体験した話しをする時、もちろんそれは主観として話します。
- 昨日、夜道で変な人が近づいてきて、ホンっとに怖かった~
とは言えますが、
- 昨日、夜道で変な人が近づいてきて、ホンっとに恐ろしかった~
と言うと、ちょっと違和感がありますよね。
客観的要素が強い「恐ろしい」という言葉は、話し言葉には向いていないんです。
例②
また、こういう例文でもわかりやすいです。
例えば、テレビのドキュメント番組で、下記のようなナレーションが流れたとします。
- その2年後、、、彼はとても恐ろしい事件を引き起こすのでした。
ゆったりした低い口調が合いそうな言葉ですよね。
ですが、下記のように入れ替えたらどうでしょうか。
- その2年後、、、彼はとても怖い事件を引き起こすのでした。
先程のシリアスなイメージは少し減ってしまいますよね。
テレビの番組なので、放送される内容は非常に客観的で第三者的な言い回しです。
なので、「怖い」と言いかえると違和感を感じるのですね。
まとめ
では最後に、今回の内容をまとめておきたいと思います。
こわい | おそろしい | |
常用漢字 | 怖い | 恐ろしい |
用途 | やや主観的 | やや客観的 |
これで、「怖い」と「恐ろしい」はマスターですね!