国民の祝日一覧|祝日は16日なのに、休める日数が毎年変わる理由

日本の国民の祝日は16日あります。

年間の日数だけを見ればここ10年ずっと変わっていないのに、「今年は休みが多い」「去年はなんだか損した気がする」という体感のほうは毎年しっかりズレていく。

あの感覚、気のせいではありませんでした。

この記事では、祝日が16日で固定なのに実際に休める日数が年ごとに何日変わるのかを21年分集計しました。

  • そもそも祝日法があなたの会社に休みを命じていないという話
  • 2028年の春分の日がまだ法的には決まっていないという話
  • そして元日が戦前の祝日一覧に載っていなかったという話

もします。

一覧表だけ見て帰るには、祝日という制度はちょっともったいないのです。

もし、祝日を復習したいときは、祝日をバッチリ覚えれるクイズを用意したのでこちらもチェックしてみてくださいね。

また、祝日に関するシンプルな疑問も、下記でまとめています。

先に結論だけ

2026年(令和8年) 国民の祝日16日+休日2日=18日/月〜金に増える休みは17日
2027年(令和9年) 国民の祝日16日+休日1日=17日/月〜金に増える休みは16日
2026年の大型連休 GWは5月2日(土)〜6日(水)の5連休/9月は19日(土)〜23日(水)の5連休
2027年の大型連休 4月30日(金)に有給を1日入れると4月29日〜5月5日の7連休

2026年は土曜と重なる祝日がひとつもなく、21年間で最も恵まれた部類の年です。理由は独自集計の章で説明します。

2026年・2027年の国民の祝日一覧

まずは実用のところから。内閣府が公開している祝日データにもとづく、確定済みの日付です。

2026年(令和8年)の祝日・休日一覧

日付 曜日 名称 区分
1月1日 木 元日 国民の祝日
1月12日 月 成人の日 国民の祝日
2月11日 水 建国記念の日 国民の祝日
2月23日 月 天皇誕生日 国民の祝日
3月20日 金 春分の日 国民の祝日
4月29日 水 昭和の日 国民の祝日
5月3日 日 憲法記念日 国民の祝日
5月4日 月 みどりの日 国民の祝日
5月5日 火 こどもの日 国民の祝日
5月6日 水 ― 休日(いわゆる振替休日)
7月20日 月 海の日 国民の祝日
8月11日 火 山の日 国民の祝日
9月21日 月 敬老の日 国民の祝日
9月22日 火 ― 休日(いわゆる国民の休日)
9月23日 水 秋分の日 国民の祝日
10月12日 月 スポーツの日 国民の祝日
11月3日 火 文化の日 国民の祝日
11月23日 月 勤労感謝の日 国民の祝日

祝日16日に休日2日が加わって合計18日、そのすべてが土曜を避けているという、なかなか行儀のいい並びです。

ゴールデンウィークは5月2日(土)から6日(水)まで5連休、9月も19日(土)から23日(水)まで5連休になります。

9月22日がなぜ休みになるのかは仕組みが少し面白いので、あとで詳しく書きます。

2027年(令和9年)の祝日・休日一覧

日付 曜日 名称 区分
1月1日 金 元日 国民の祝日
1月11日 月 成人の日 国民の祝日
2月11日 木 建国記念の日 国民の祝日
2月23日 火 天皇誕生日 国民の祝日
3月21日 日 春分の日 国民の祝日
3月22日 月 ― 休日(いわゆる振替休日)
4月29日 木 昭和の日 国民の祝日
5月3日 月 憲法記念日 国民の祝日
5月4日 火 みどりの日 国民の祝日
5月5日 水 こどもの日 国民の祝日
7月19日 月 海の日 国民の祝日
8月11日 水 山の日 国民の祝日
9月20日 月 敬老の日 国民の祝日
9月23日 木 秋分の日 国民の祝日
10月11日 月 スポーツの日 国民の祝日
11月3日 水 文化の日 国民の祝日
11月23日 火 勤労感謝の日 国民の祝日

2027年は合計17日で、こちらも土曜と重なる祝日はゼロです。

昭和の日が4月29日(木)に当たるため、翌30日(金)に有給を1日入れるだけで5月5日まで7連休になるという、狙いどころのはっきりした年でもあります。

ただし9月のほうは敬老の日と秋分の日のあいだが2日空いてしまい、2026年のような大型連休にはなりません。

「祝日」と「休日」は、法律上まったく別のものです

上の表で区分をわざわざ分けたのには理由があります。

国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号、いわゆる祝日法)が「国民の祝日」と名づけているのは16日だけで、振替休日や国民の休日は祝日ではないからです。

第3条第1項が「『国民の祝日』は、休日とする」と定め、第2項と第3項が別枠で追加の休日をつくっている構造になっており、16日の祝日とそこから派生する休日は条文上きっちり階層が分かれています。

細かい話に思えるかもしれませんが、ここを整理しないと「今年の祝日は18日」といった数え方の揺れが生まれます。

実際、祝日を紹介するサイトによって「16日」と書くところと「18日」と書くところが混在しているのは、この区別が曖昧なまま数えているためです。

「振替休日」は、法律に一度も出てこない言葉です

祝日法の条文を最初から最後まで読んでも、「振替休日」という単語は一度も出てきません。第3条第2項が書いているのは、次の一文だけです。

「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。

名前がついていない、ただの「休日」。

私たちが日常的に使っている「振替休日」は完全な通称で、内閣府の公式ページですら説明の便宜のための呼び名として併記しているにすぎません。

カレンダーに堂々と印刷されている言葉が実は法律の外にある、というのはなかなか味わい深い事実だと思います。

「国民の休日」も同じく、条文にはない呼び名です

第3条第3項も同様で、「その前日及び翌日が『国民の祝日』である日(『国民の祝日』でない日に限る。)は、休日とする」と書かれているだけで、ここにも固有名詞は与えられていません。

祝日法が名前をつけた対象は「国民の祝日」ただひとつなのです。

この規定が最初に発動したのは1988年5月4日(水)でした。

制度自体は1985年12月にできていたのですが、1986年の5月4日は日曜、1987年の5月4日は振替休日と、2年続けて別の理由で埋まってしまい、3年目にしてようやく初適用にこぎつけています。

法律をつくったのに使う場面がなかなか来ない、という妙な待ち時間があったわけです。

 

【独自集計】祝日は16日で固定。でも平日に増える休みは11日〜17日で揺れます

ここからがこの記事の本題です。祝日一覧を載せているページはいくらでもありますが、「で、結局その年は何日得なのか」を数字で出しているものは、2026年8月に「祝日 一覧」「祝日 何日」などで検索した範囲では見つけられませんでした。

ないなら作るしかありません。

土日休みで働いている人にとって、土曜や日曜に重なった祝日は嬉しさが薄いか、そもそも消えてしまいます。

日曜と重なれば振替休日が生まれるので実害はありませんが、土曜と重なった場合は振替がなく、まるごと消滅する。

そこで「祝日・休日のうち、月曜から金曜に当たる日が何日あるか」を2020年から2040年まで計算してみました。

2020年〜2040年「平日に増える休み」年次一覧

年 土曜と重なる祝日 日曜と重なる祝日 追加される休日 平日に増える休み
2020年 0日 2日 2日 16日
2021年 1日 1日 1日 15日
2022年 1日 0日 0日 15日
2023年 3日 1日 1日 13日
2024年 2日 5日 5日 14日
2025年 1日 3日 3日 15日
2026年 0日 1日 2日 17日
2027年 0日 1日 1日 16日
2028年 2日 0日 0日 14日
2029年 3日 3日 3日 13日
2030年 3日 3日 3日 13日
2031年 1日 3日 3日 15日
2032年 1日 0日 1日 16日
2033年 1日 1日 1日 15日
2034年 3日 1日 1日 13日
2035年 3日 3日 3日 13日
2036年 2日 2日 2日 14日
2037年 0日 1日 2日 17日
2038年 1日 0日 0日 15日
2039年 1日 0日 0日 15日
2040年 5日 2日 2日 11日

※2020年・2021年は東京オリンピック関連の特別措置法により海の日・山の日・スポーツの日が移動した年で、その実際の日付で計算しています。

2028年以降の春分の日・秋分の日は天文計算による推算値にもとづく試算です(理由は後述します)。祝日法の改正があれば当然この表も変わります。

2026年は、この21年でいちばん恵まれた年のひとつです

表を眺めていただくと分かる通り、2026年は土曜と重なる祝日がゼロで、唯一日曜に当たった憲法記念日も5月6日に振り替わり、さらに9月22日の国民の休日まで付いてきます。

平日に増える休みは17日となり、21年間の最多タイです。

逆にいちばん厳しいのが2040年で、5つもの祝日が土曜に埋まってしまい、平日に増える休みは11日しかありません。2026年と比べると6日も違います。

同じ「祝日16日の国」に住んでいて、年によって6日分の差が出る。これは制度の設計として、けっこうな揺らぎだと思いませんか。

土曜と重なっても振替がないのは、条文がそう書いているからです

「日曜には振替があるのに、なぜ土曜にはないのか」という疑問はよく見かけます。

答えは単純で、第3条第2項に「日曜日に当たるときは」と書いてあるから、それ以上でもそれ以下でもありません。

国会審議で確認できる立法趣旨は、日曜と祝日が重なったときに双方の休日としての性格を確保する、というものです。

ただ、この規定が生まれた1973年の時点では国の行政機関も民間も完全週休二日制が一般化しておらず、土曜まで振替の対象にするという発想が出にくい環境だったことは背景として押さえておいてよいと思います。

国の行政機関が原則として土曜休みになったのは1992年で、条文が書かれた当時とは前提がかなり変わっているのに、この一文は50年以上そのままになっています。

 

一覧表だけでは見えない、祝日の意外な正体

祝日法だけを根拠に、会社に休みを命じることはできません

ここは声を大にして書きたいところです。

祝日法第3条第1項の「『国民の祝日』は、休日とする」という一文を読むと、全国民が休める日を法律が保証しているように見えますが、祝日法だけを根拠として、民間企業に従業員を休ませる義務が生じるわけではありません。

労働基準法が使用者に義務づけているのは「週1日」だけ

民間の休日を決めているのは労働基準法第35条で、そこに書かれているのは「毎週少くとも1回の休日」または「4週間を通じ4日以上の休日」という最低ラインだけです。

祝日の「し」の字も出てきません。つまり祝日に出勤させる会社があっても、それ自体が直ちに労基法違反になるわけではないのです。

私たちが祝日に休めているのは、法律が命じているからというより、会社の就業規則や労働契約が「国民の祝日を休日とする」と定めているからです。

だから祝日が休みかどうかは、最終的にはお勤め先の就業規則を見ないと分かりません。サービス業や医療・運輸の現場で祝日勤務が当たり前になっているのも、そこに法的な矛盾がないからです。

祝日出勤に35%の割増賃金がつくとは限りません

この延長で誤解されやすいのが割増賃金です。

労基法上の割増率35%以上が発生するのは「法定休日」、つまり週1回の休日に労働させた場合であって、祝日に働いたから自動的に35%になるわけではありません。

祝日が法定休日でなくても、1日8時間・週40時間の法定労働時間を超えれば時間外労働として原則25%以上の割増が必要になりますし、月60時間を超える時間外労働の部分については50%以上となります。

ここは会社ごとの休日の定め方によって結論が変わる領域なので、具体的な待遇についてはお勤め先の就業規則、または社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

2028年の春分の日は、まだ正式には決まっていません

春分の日と秋分の日は、祝日法に具体的な月日が書かれておらず、それぞれ「春分日」「秋分日」と定められているだけです。何月何日になるのかを、法律は決めていません。

前年2月の官報に載って、はじめて確定します

実際の日付は、国立天文台が天文計算で求め、その結果をまとめた「暦要項(れきようこう)」が前年2月1日付の官報に掲載されることで正式に確定します。

2027年の春分の日が3月21日だと確定したのは、2026年2月の官報掲載時点というわけです。

裏を返すと、この記事を書いている2026年8月の時点で日付まで確定しているのは2027年分までで、2028年の春分の日・秋分の日はまだ官報に載っていません。

2028年3月20日が春分の日になる可能性はきわめて高いのですが、それはあくまで計算上の予測であって、確定した日付ではないのです。

国立天文台自身も、官報掲載前の段階については「まだ正式には決まっていない」という立場を明示しています。

だから遠い年のカレンダーは、静かに「予定」なのです

手帳や壁掛けカレンダーの数年先のページに春分の日が印刷されていることがありますが、あれは天文計算にもとづく見込みを載せているだけで、法律が確定させた日付ではありません。

「元日や文化の日のように月日が条文に書かれた祝日は、現行法が改正されない限り日付は動きません。なので、揺れているのは春分の日と秋分の日の2つだけです。

それでも、「翌々年以降のこの2日は、まだ誰も正式には決めていない」と知ってしまうと、あの赤い数字がちょっと違って見えてきます。

振替休日は「翌日」ではありません

多くのサイトが「祝日が日曜と重なると翌日が休みになる」と説明していますが、これは2006年までのルールです。

現在の条文は「その日後においてその日に最も近い『国民の祝日』でない日」となっており、翌日ではなく、後ろへ順送りして最初に見つかった非祝日、という書き方に変わっています。

2007年に条文が書き換えられた理由

きっかけは2005年の祝日法改正(施行は2007年)でした。

この改正で4月29日が昭和の日になり、みどりの日が5月4日へ引っ越した結果、5月3日・4日・5日が3日連続の祝日になったのです。

旧ルールのままだと、5月3日の憲法記念日が日曜に当たったとき「翌日」の5月4日はみどりの日、つまり祝日なので、振替先が消えてしまいます。

そこで「後ろへ順送り」という書き方に改められました。2026年がまさにこのケースで、5月3日(日)の振替先は4日でも5日でもなく、3つ飛ばした5月6日(水)になります。

「翌日が休み」と覚えていると1日ずれるので、そこそこ実害のある誤解です。

 

16日の祝日を、1日ずつ見ていきます

趣旨の文言は祝日法第2条に書かれているものをそのまま引いています。

読んでみると独特のやわらかい日本語で書かれていて、法律の条文らしくない味があります。

1月から5月の祝日

元日(1月1日)

趣旨は「年のはじめを祝う」。

現在の16祝日のなかで唯一、2文字だけの名称です。なお祝日なのは1月1日だけで、1月2日と3日は祝日ではなく、それでも役所が閉まっているのは行政機関の休日に関する法律が12月29日から1月3日までを休日と定めているからです。

成人の日(1月の第2月曜日)

「おとなになつたことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」。

制定当初は1月15日固定でしたが、2000年からハッピーマンデー制度によって第2月曜に移りました。

「みずから生き抜こうとする」という言い回しが、戦後間もない1948年に書かれた文章だと思うと、少し胸に来るものがあります。

建国記念の日(政令で定める日)

「建国をしのび、国を愛する心を養う」。16祝日のうち唯一、祝日法が日を「政令で定める」としている祝日で、実際の2月11日は1966年の政令によって決まりました。制定時に日付をめぐる議論が激しく、法律本体で決めきれなかった経緯がここに残っています。

天皇誕生日(2月23日)

「天皇の誕生日を祝う」。在位する天皇の誕生日なので代替わりのたびに動き、4月29日(昭和)、12月23日(平成)を経て、現在は2月23日です。

2019年については、退位が4月30日で条文改正の施行が5月1日というタイミングの都合により、天皇誕生日が1日も存在しない年になりました。

春分の日(春分日)

「自然をたたえ、生物をいつくしむ」。前述のとおり法律は日付を決めておらず、3月20日か21日のどちらかになります。

昭和の日(4月29日)

「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」。かなり長い趣旨です。この日はもともと昭和天皇の誕生日で、1989年からみどりの日、2007年から昭和の日と、名前が二度変わっています。

憲法記念日(5月3日)

「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」。1947年5月3日の施行日にちなむもので、公布日である11月3日のほうは文化の日になっています。

みどりの日(5月4日)

「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」。4月29日から2007年に引っ越してきた祝日で、それ以前の5月4日は「国民の休日」でした。

こどもの日(5月5日)

「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」。最後の「母に感謝する」が入っていることを知らない人は多いはずで、子どものための日でありながら、母への感謝がしれっと同居しています。

7月から9月の祝日

海の日(7月の第3月曜日)

「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」。1996年に7月20日固定で始まり、2003年から第3月曜に移りました。

山の日(8月11日)

「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」。2016年施行の、現時点で最も新しい祝日です。山に親しんで恩恵に感謝する、それ以上のことを何も言わない素直な趣旨が、なんとなく山らしくて好きです。

敬老の日(9月の第3月曜日)

「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」。1966年に9月15日で制定され、2003年から第3月曜に移動しました。この移動が、のちにシルバーウィークを生むことになります。

秋分の日(秋分日)

「祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ」。春分の日と同じく日付は法律に書かれておらず、9月22日か23日になります。

10月から11月の祝日

スポーツの日(10月の第2月曜日)

「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」。もとは1964年東京オリンピックの開会式(10月10日)にちなむ「体育の日」でしたが、2020年に現在の名前へ改称され、趣旨の文言も書き換えられました。16祝日のなかで、いちばん長い趣旨を持っているのはこの日です。

文化の日(11月3日)

「自由と平和を愛し、文化をすすめる」。日本国憲法が公布された1946年11月3日にちなむ祝日で、趣旨のほうはずいぶんあっさりしていますが、この短さがかえって効いていると思います。

勤労感謝の日(11月23日)

「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」。「たつとび」という古い仮名遣いがそのまま残っているのは、1948年の条文がほぼ手つかずで今も生きている証拠です。

 

祝日の日付をたどると、戦前の暦が透けて見えます

現在の祝日には、日付だけが戦前から引き継がれているものがいくつもあります。

祝日法ができる前、日本の休日を定めていたのは「休日ニ関スル件」という勅令(大正元年勅令第19号、昭和2年勅令第25号により全部改正)で、そこには11の祭日・祝日が並んでいました。

旧祝祭日11日と、現行祝日の対応

旧祝祭日 日付 現在
元始祭 1月3日 廃止
新年宴会 1月5日 廃止
紀元節 2月11日 建国記念の日(1967年〜)
神武天皇祭 4月3日 廃止
天長節 4月29日 天皇誕生日→みどりの日→昭和の日
神嘗祭 10月17日 廃止
明治節 11月3日 文化の日
新嘗祭 11月23日 勤労感謝の日
大正天皇祭 12月25日 廃止
春季皇霊祭 春分日 春分の日
秋季皇霊祭 秋分日 秋分の日

この表に1月1日がないことに気づかれたでしょうか

調べていていちばん驚いたのがここでした。

戦前の1月1日は「四方節」と呼ばれ、紀元節・天長節・明治節と並んで「四大節」と称される最重要の祝日だったはずなのに、休日を定めた勅令の一覧に入っていないのです。

種明かしをすると、戦前の1月1日が休みだった根拠は別のところにありました。明治6年太政官布告第2号「休暇日ヲ定ム」が1月1日から3日まで、および12月29日から31日までを休暇日と定めており、四方節はこの年末年始休暇のなかに含まれていたのです。

宮中祭祀としての四方拝は皇室祭祀令に規定がありますが、少なくとも休日を列挙した「休日ニ関スル件」のほうには、四方拝も四方節も出てきません。

現在の1月1日は、言うまでもなく祝日法第2条が定める「元日」という立派な国民の祝日です。

ただ、1月2日と3日まで続けて休みになるあの枠組みのほうは、行政機関の休日に関する法律の年末年始規定によるもので、たどっていくと明治6年の制度にまでさかのぼります。

三が日という感覚を支えているのは、祝日の系統ではなく年末年始休暇の系統だった、というわけです。

引き継がれた5日と、消えた5日

1948年に制定された祝日は9日でした。

そのうち勅令の一覧と日付が一致するのは、天長節から数えた4月29日、春季皇霊祭からの春分日、秋季皇霊祭からの秋分日、明治節からの11月3日、新嘗祭からの11月23日の5日です。

残る4日のうち、成人の日(1月15日)・憲法記念日(5月3日)・こどもの日(5月5日)の3日は完全な新設。

元日だけは、勅令の一覧にはないものの前述の年末年始休暇でずっと休みだった、という特殊な立ち位置になります。

戦後の祝日は、ゼロから設計されたというより、既存の日付に新しい意味を上書きして作られた面がかなり強いのです。

一方、元始祭・新年宴会・神武天皇祭・神嘗祭・大正天皇祭の5日はきれいに消えました。

1月3日が今も休みに見えるのは元始祭の名残ではなく、年末年始の役所休みがたまたま重なっているだけです。

ただし「後継」と言い切るのは正確ではありません

ここは慎重に書きたいところで、政府は文化の日について「明治節を引き継いだ」とは説明していません。

内閣府の公式説明で理由として挙げられているのは、日本国憲法が公布された日であることのほうです。

結果として明治節と同じ11月3日になっている、という建て付けになります。

建国記念の日も同様で、条文にあえて日付を書かず政令に委ねる形をとりました。

日付だけを見れば紀元節と一致しますが、法文上の承継関係はありません。

「日付は同じ、意味は別物」というのが、制度としての正確な理解です。

 

6月と12月に祝日がない、その理由

12月に祝日がなくなったのは、わりと最近です

祝日のない月は6月と12月の2つですが、12月が祝日のない月になったのは2019年からで、それまでは12月23日が天皇誕生日でした。

代替わりで天皇誕生日が2月23日に移ったことで、12月から祝日が消えたわけです。

逆に2月は建国記念の日と天皇誕生日で祝日が2つある月になり、一年の祝日の重心が静かに前半へ寄りました。

カレンダーを何年かぶりに見比べると、この変化がけっこう効いているのが分かります。

6月には恒久的な祝日が置かれたことがありません

6月は祝日法の制定以来、一度も国民の祝日を持ったことのない唯一の月です。

梅雨どきで行事が少なく、戦前の旧祝祭日にも6月の日がなかったことが背景にあります。「6月に祝日を」という議論は繰り返し出ていますが、いまのところ実現していません。

ただし「6月に国が休みを設定したことは一度もない」と言うと、これは正確ではありません。1993年6月9日は、皇太子徳仁親王(現在の天皇陛下)の結婚の儀にともない、平成5年法律第32号という単発の特別法によって休日とされています。

国民の祝日ではなく、一日限りの「休日」という扱いでした。6月にカレンダーが赤くなった日は、この一日だけ存在します。

5月の連休が終わって、次の祝日が7月まで来ない。

あの6月特有の長さの感覚は、単なる気分ではなく制度的な事実に裏打ちされているのです。

 

祝日はこうして増えてきました

16日という数字は最初からあったものではなく、9日から始まって70年以上かけて増えてきたものです。

年 できごと
1948年 祝日法制定。祝日は9日
1966年 建国記念の日・敬老の日・体育の日を追加(建国記念の日の実施は1967年から)
1973年 いわゆる振替休日の規定を新設。初適用は同年4月30日
1985年 いわゆる国民の休日の規定を新設。初適用は1988年5月4日
1989年 天皇誕生日が12月23日へ。4月29日はみどりの日に
1996年 海の日を追加(7月20日)
2000年 ハッピーマンデー第1弾。成人の日・体育の日が月曜固定に
2003年 ハッピーマンデー第2弾。海の日・敬老の日が月曜固定に
2007年 4月29日が昭和の日に、みどりの日が5月4日へ。振替休日の規定も改正
2016年 山の日を追加(8月11日)。祝日が16日に
2019年 即位の日(5月1日)と即位礼正殿の儀の日(10月22日)が特別法で休日に。天皇誕生日が存在しない年に
2020年 体育の日がスポーツの日に改称。天皇誕生日が2月23日で初めて実施

2019年の10連休は、この表のいちばん下あたりで起きた出来事です。

5月1日が特別法で休日になった結果、祝日法第3条第3項が自動的に働いて4月30日と5月2日も休日になりました。法律が法律を呼んで連鎖する、なかなか珍しい光景でした。

 

祝日にまつわる、よくある疑問

「祝日」と「祭日」はどう違いますか

現在の日本に「祭日」はありません。祭日というのは戦前の「大祭日」、つまり皇室の祭祀に由来する休日の呼び名で、1948年の祝日法施行とともに制度としては消えており、「祝祭日」という言い方も同じく戦前の名残です。

日常会話で使うぶんには何の問題もありませんが、正式な文書では「国民の祝日」が正しい呼び方になります。

祝日の日付データをまとめて入手できますか

できます。しかもかなり気前のいい形で。内閣府が公式サイトで、1955年(昭和30年)から2027年(令和9年)までの祝日を収めたCSVファイルを無償公開しています。

振替休日や国民の休日も含まれているので、業務システムの営業日計算やスケジュール管理ツールを作るときの一次データとして、これ以上のものはありません。

意外にも、この存在を紹介している祝日情報サイトはほとんど見当たりません。

2026年8月時点で「祝日 一覧」の検索上位ページを一通り確認した限りでは、内閣府自身を除いて触れているところはありませんでした。

もし手作業で祝日データを打ち込んでいる方がいたら、その作業は今日で終わりにできます。

年末年始は役所も銀行も同じ日程ですか

違います。行政機関の休日に関する法律は12月29日から1月3日までを休日と定めていますが、銀行法施行令第5条が定める銀行の休日は12月31日から1月3日まで。

入口が2日ぶんずれています。

つまり12月29日と30日は、役所は閉まっているのに銀行は原則として窓口を開けている日です。

年末の駆け込み手続きで役所と銀行の両方を回ろうとして片方に振られる、という悲劇はこの2日間の食い違いから生まれます。

2026年9月22日は、なぜ休みなのですか

敬老の日(9月21日・月)と秋分の日(9月23日・水)に挟まれた平日だからです。

祝日法第3条第3項により、前日と翌日が祝日である日は自動的に休日になります。

祝日ではないのに休み、という不思議な日です。

この現象は、敬老の日が2003年に9月第3月曜へ移ったことで生まれるようになりました。

9月15日固定のままなら、そもそも秋分の日と中1日で並ぶ配置になりません。ハッピーマンデー制度の副産物として、シルバーウィークという言葉が生まれたわけです。

 

日本の祝日クイズ

日本の祝日、どこまで知っていますか?

日付だけなら簡単そうに見えて、由来やルールまで入ると意外と難しいものです。

全問正解を目指して挑戦してみてください。

 

まとめ

国民の祝日は16日。この数字は2016年に山の日ができて以来変わっていません。

それでも実際に休める日数のほうは年ごとに11日から17日まで揺れますし、2026年はそのなかでもかなり当たりの年にあたります。

そして祝日制度は、意外なほど「決まっていない」部分を抱えています。

2年先の春分の日はまだ法的に確定していませんし、振替休日にも国民の休日にも法律上の名前がありません。

祝日法だけを根拠に会社に休みを命じることもできませんし、元日にいたっては、戦前の祝日一覧にすら載っていませんでした。カレンダーに赤で印刷されているあの日々は、思っていたよりずっと、いろいろな法律と慣習と天文計算が絡み合った上に成り立っています。

次に祝日を迎えるとき、その日が何曜日で、なぜ休みで、誰が決めたのかを少しだけ思い出してもらえたら、この記事を書いた甲斐があります。

あと、2040年はかなりひどいので、今から心の準備をしておいてください。

 

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■参考・出典

※本記事の法令に関する記述は執筆時点(2026年8月)の情報にもとづきます。休日の取り扱いや割増賃金など個別の労働条件については、お勤め先の就業規則や労働契約の内容によって結論が変わります。具体的な判断が必要な場合は、社会保険労務士や弁護士などの専門家にご相談ください。

※2028年以降の春分の日・秋分の日は天文計算による推算であり、前年2月の官報掲載をもって正式に確定します。